シロアリ駆除の費用は公表調査2つで1.5倍ひらく|30坪で213,147円と321,750円、面積からの出し方と補助金
シロアリ被害に気づいたとき、あるいは新築・築年数が経過した住宅で予防を検討しているとき、多くの施主が気になるのが「駆除にどのくらいの費用がかかるのか」「補助金や助成金は使えるのか」という点です。この記事では、シロアリ駆除の費用相場を早見表で整理したうえで、自治体の補助金・助成金制度の一般的な仕組み、申請時の注意点、費用を左右する要因や節約のコツ、自分で駆除する場合とプロに依頼する場合の違い、悪質業者を避けるためのポイントまでを幅広く解説します。
費用は依頼先で大きく変わります。相場の確認は、無料でできる複数社見積もりの比較が近道です。
無料でまとめて見積もり ▶結論:公表されている調査データで、面積から金額を出す
シロアリ駆除の費用は、床下の面積 × ㎡単価で決まります。推定の幅ではなく、単価を公表している調査を2つ並べて、面積ごとの金額を出します。
ここで面積を間違えないでください。使うのは延床面積ではなく、床下(1階部分)の面積です。2階建てで延床30坪なら、床下はおよそ15坪。延床で計算すると、金額が倍近くずれます。
| 床下の面積 | 主要19社の平均 (2,153円/㎡) | 経済調査会 (3,250円/㎡) |
|---|---|---|
| 15坪(49.5㎡) | 106,573円 | 160,875円 |
| 20坪(66.0㎡) | 142,098円 | 214,500円 |
| 25坪(82.5㎡) | 177,622円 | 268,125円 |
| 30坪(99.0㎡) | 213,147円 | 321,750円 |
2つの調査で1.5倍ひらきます。どちらが正しいという話ではなく、この幅の中に見積もりが収まっているかどうかが、まず見るところです。大きく外れているなら、理由を説明してもらってください。幅の理由は次の章で分解します。
点検・調査は無料で実施している業者が多い分野です。有料の場合の額を公表している会社は今回確認できませんでした。この記事では点検費の目安を書きません。申し込む前に「点検は無料か、有料ならいくらか」を先に聞いてください。
出典:アリプロ「シロアリ駆除の費用相場(主要19社のHP調査)」(同記事内で引用されている一般財団法人 経済調査会の調査を含む/2026年9月4日確認)。面積は床下(1階部分)の面積で、延床面積ではありません。
公表されている費用相場を2つ並べる
シロアリ駆除の費用は、床下の面積あたりの単価で決まります。相場を調べている2つの出所を、そのまま並べます。
| 出所 | 1㎡あたり | 1坪あたり | 30坪(99㎡)の総額 |
|---|---|---|---|
| アリプロ(主要19社のHPを調査) | 2,153円 | 7,105円 | 213,147円 |
| 一般財団法人 経済調査会 | 3,250円 | 10,725円 | 321,750円 |
同じ「相場」なのに1.5倍違います。これは、どちらかが間違っているという話ではありません。調べている対象が違うためです。
出典: アリプロ「シロアリ駆除の『費用相場』は?主要19社の費用の相場と費用を抑えるコツ【2026年最新版】」(最終更新2026年3月22日)aripro-sesco.com/2026-09-04確認。経済調査会の数値は同記事内での引用で、原典は未確認です。
1.5倍の幅は、業者のタイプの差
アリプロの調査を業者のタイプ別に分けると、単価は2倍以上ひらきます。
| 業者のタイプ | 1㎡あたり(税込) | 30坪(99㎡)換算 |
|---|---|---|
| インターネット仲介業者 | 1,320円 | 約13.1万円 |
| 地域密着型の中小企業 | 2,163円 | 約21.4万円 |
| 大手ホームセンター・ハウスメーカー | 2,329円 | 約23.1万円 |
| 全国展開する大手企業 | 2,795円 | 約27.7万円 |
| 全タイプの平均 | 2,153円 | 約21.3万円 |
最も安いのはインターネット仲介業者(1,320円/㎡)、最も高いのは全国展開の大手(2,795円/㎡)で、2.1倍の差があります。「相場より安い・高い」を語るときは、どのタイプと比べているのかを揃えないと意味がありません。
床下面積は延床面積ではありません。費用の計算に使われるのは1階の床下面積です。総2階の30坪の家なら床下は約15坪で、上の表の半分になります。見積もりを比べるときは、何㎡で計算しているかを必ず確認してください。
出典: アリプロ「シロアリ駆除の『費用相場』は?主要19社の費用の相場と費用を抑えるコツ【2026年最新版】」(最終更新2026年3月22日)aripro-sesco.com/2026-09-04確認。経済調査会の数値は同記事内での引用で、原典は未確認です。
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| 補助金・助成金の有無 | 自治体によって制度がある場合とない場合があり、全国一律の制度ではない |
| 対象になりやすいケース | 木造住宅の耐震改修やリフォームの一環として実施する防蟻工事 |
| 補助額の傾向 | 工事費用の一部(数万円〜十数万円程度)を上限付きで補助するケースが多い |
| 確認方法 | 居住する市区町村の建築・住宅関連の窓口やホームページで確認するのが基本 |
補助金・助成金については、全国共通の制度として存在するわけではなく、地域によって用意されている場合とされていない場合があります。まずはお住まいの自治体に制度の有無を確認することが、費用負担を減らす第一歩になります。
費用の内訳:点検・薬剤・施工面積
シロアリ駆除の費用は「点検費用」「薬剤・施工費用」の2つで考えると分かりやすくなります。
点検費用は、業者が床下に入って被害状況や蟻道の有無を確認する作業です。集客目的で無料点検を実施している業者が多く、有料の場合の額を公表している会社は今回確認できませんでした。推定額は書きません。申し込み前に確認してください。
薬剤・施工費用は「1㎡あたりの単価 × 施工面積」で決まります。この単価が、公表されている数字のある部分です。
| 出所 | 1㎡あたり | 1坪あたり | 性質 |
|---|---|---|---|
| 主要19社のHP調査(アリプロ) | 2,153円 | 7,105円 | 各社が公表している金額の平均 |
| 一般財団法人 経済調査会 | 3,250円 | 10,725円 | 価格調査機関の調査値 |
| 国の補助工事単価(木部処理+土壌処理) | 4,500円 | — | 相場ではなく、補助額を計算するための基準額 |
国の単価は木部処理1,800円/㎡と土壌処理2,700円/㎡の合計です。これは相場ではありませんが、第三者が同じ工事に付けた値段が公開されているという点で使えます(詳しくは補助金の章で)。
工法による違いも押さえておきます。バリア工法(土壌や木部に薬剤を散布・注入する方法)は比較的短期間で完了しやすく、ベイト工法(毒餌を仕掛けて巣ごと駆除を狙う方法)は設置後の定期的なモニタリングが必要になるため、トータルの費用がやや高くなる傾向があるとされています。ただし、工法別の単価を公表している調査は今回見つかりませんでした。上の3つの単価はいずれも工法を分けていません。この記事では工法別の金額を書きません。
床下の形状が複雑な場合や、基礎の高さが低く作業しづらい住宅では、追加費用が発生することもあります。見積書を受け取ったら、㎡単価と施工面積が明記されているかを確認してください。総額だけの見積書は、上の表と突き合わせることができません。
出典:アリプロ「シロアリ駆除の費用相場(主要19社のHP調査)」(同記事内で引用されている一般財団法人 経済調査会の調査を含む/2026年9月4日確認)。面積は床下(1階部分)の面積で、延床面積ではありません。
シロアリ被害の初期症状とセルフチェック方法
駆除費用を抑えるためには、何よりも早期発見が重要です。専門家でなくても気づくことができる、シロアリ被害のサインがいくつかあります。定期的にご自宅をチェックする習慣をつけましょう。
羽アリの発生
4月〜7月頃の特定の時期に、家の中や家の周りで羽のついたアリを大量に見かけたら、それはシロアリの羽アリである可能性が非常に高いです。特に、浴室や洗面所、玄関など水回りの近くで発生することが多いです。シロアリの羽アリは、体が寸胴で、4枚の羽がほぼ同じ大きさという特徴があります。見つけた場合は、数匹をテープなどで捕獲しておくと、後の業者による種類特定に役立ちます。
蟻道(ぎどう)の存在
シロアリは光や乾燥を嫌うため、土や自分たちの分泌物でトンネル(蟻道)を作って移動します。建物の基礎部分や束石、床下の木材などに、泥でできた筋のようなものがないか確認してみましょう。この蟻道が発見された場合、シロアリが活発に活動している証拠と言えます。
木材の空洞音や食害
柱や壁、床などを叩いてみて、「ポコポコ」と中が空洞のような軽い音がする場合、内部がシロアリに食べられている可能性があります。また、ドライバーの先などで軽く押してみて、簡単に凹んだり穴が開いたりする場合も危険なサインです。特に、湿気の多い北側の壁や、風呂場・トイレの出入り口の柱などは被害に遭いやすい箇所です。
建具の不具合や床のきしみ
これまでスムーズに開閉できていたドアやふすまの建付けが悪くなったり、歩くと床がフカフカと沈むようにきしんだりする場合、シロアリが柱や床下の木材を食害し、家が歪み始めている可能性があります。単なる経年劣化と決めつけず、シロアリ被害の可能性も疑ってみましょう。
これらのサインを一つでも発見した場合、被害が内部で深刻化している恐れがあります。自分で判断せず、速やかにプロの専門業者による無料の床下診断を受けることを強くお勧めします。
「もしかしてウチも?」と思ったら、まずは専門家による無料の床下診断がおすすめです。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討することが、後悔しないための第一歩です。どこに頼めばいいか分からない方は、信頼できる業者を複数紹介してくれるサービスを利用するのも一つの手です。
無料見積もりガイドで、お住まいの地域に対応した優良業者を探してみましょう。
自治体の補助金・助成金制度の仕組み
シロアリ駆除に特化した補助金・助成金を単独で用意している自治体は限られており、むしろ「木造住宅の耐震改修」「老朽化住宅のリフォーム支援」「空き家対策」といった住宅関連の補助制度の一部として、防蟻・防腐工事が対象工事に含まれているケースが多く見られる傾向にあります。
こうした制度は、多くの自治体で以下のような共通点を持つ傾向があります。
- 対象となる住宅の築年数や構造(木造であることなど)に条件が設けられている場合が多い
- 工事費用の一部を、上限額を設けたうえで補助する形式が一般的
- 年度ごとに予算枠が決められており、申請が集中すると受付が早期に終了することがある
- 工事着工前の事前申請が必須とされているケースが多く、その場合は着工後や工事完了後の申請では対象外になる(ただし逆に「完了後に申請する」制度も実在するので、要綱でどちらかを確かめる)
- 制度の名称や補助内容は自治体ごとに異なり、年度によって内容が変更されることもある
そのため、シロアリ駆除単体で利用できる補助金を探すよりも、住宅リフォーム全般の補助制度の中に防蟻工事が含まれているかどうかを確認する視点を持つと、制度を見つけやすくなります。詳細は必ず居住地の自治体窓口やホームページで最新情報を確認することが望ましいでしょう。
自治体の補助金は本当に使えるのか——8市の公式ページを実際に開いて確かめた
「自治体によっては使える」と書かれていることが多いので、住宅リフォーム補助金を実施している8つの市の公式ページを実際に開いて確認しました(2026-08-16時点)。結果は、シロアリ駆除を補助対象と明記している市は1つもありませんでした。それどころか、はっきり対象外だと書いている市が3つありました。
| 自治体 | シロアリ駆除の扱い | 公式ページの記載 | 制度の補助率・上限 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 幸手市(埼玉) | 対象外と明記 | 「単にシロアリ駆除等を目的としたもの」は補助対象外 | 工事費(税抜)の5%・上限10万円 | 公式 |
| 桶川市(埼玉) | 対象外と明記 | 補助対象にならない工事の例に「シロアリの防除費用」 | 住宅部分は工事費の5%または10万円の低い方 | 公式 |
| 北本市(埼玉) | 対象外と明記 | 補助対象外工事の例に「シロアリ駆除等の害虫駆除」 | 対象経費(税抜)の5%・上限10万円 | 公式 |
| 宇都宮市(栃木) | 記載なし | ページ本文に対象工事の列挙がなく、シロアリへの言及もない | 詳細はパンフレット | 公式 |
| 鶴岡市(山形) | 記載なし | 対象外として挙がるのは独立した車庫・物置の改修とエアコン等の家電のみ | 手引きに記載 | 公式 |
| 秋田市(秋田) | 記載なし | 補助対象外6項目にシロアリの記載なし | 通常のリフォーム5万円(中心市街地活性化区域内は10万円) | 公式 |
| 桐生市(群馬) | 記載なし | 対象・対象外の具体例は別PDF。ページ本文に記載なし | 工事費の10%(子育て世帯20%)上限20万円+加算10万円 | 公式 |
| 伊勢崎市(群馬) | 記載なし | ページ本文に対象工事・補助率の記載なし | 本文に記載なし | 公式 |
「記載なし」は「使える」という意味ではありません。対象工事の一覧に載っていない工事は、窓口に確認するまで分かりません。埼玉の3市のように、はっきり除外している自治体が実際にあります。
お住まいの自治体を調べるときのコツは1つで、「対象となる工事」の一覧だけでなく「対象とならない工事の例」を必ず開くことです。シロアリはそちらに書かれていることが多く、対象工事の一覧だけを見ていると「書いていない=使えるかもしれない」と読み違えます。
国の制度なら防蟻工事が補助対象になる(長期優良住宅化リフォーム推進事業)
自治体ではなく国の制度を見ると、話が変わります。国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、防腐・防蟻処理が補助対象として扱われることが明記されています。
- 木造の土台処理は「K3、K2相当以上の防腐・防蟻処理」として取り扱われる(旧JAS認定のものおよびAQ認証材)
- 「木造の場合、地盤の防蟻処理は補助対象となります」と明記
- 土台等への防腐防蟻薬剤の塗布と、土壌処理薬剤による土壌処理は、両方実施する場合には両方が補助対象
ただしこれは住宅の性能を上げるリフォームの一部として防蟻処理を行う場合の話で、シロアリ駆除だけを単独で申請できる制度ではありません。すでに大きなリフォームを予定しているなら、そのなかに防蟻処理を組み込めるかどうかを施工会社に確認する価値があります。
国が「この金額まで」と決めている防蟻の単価
この制度でもうひとつ見ておきたいのが、国が補助額を計算するために定めている工事単価です。シロアリ駆除は業者によって㎡単価の言い値が大きく違い、見積書を見ても高いのか安いのか判断しづらい分野です。そこに国が「防蟻処理はこの単価で積み上げる」と公表している数字があります。
| 補助対象工事 | 補助工事単価 | 何をする工事か |
|---|---|---|
| 土台、根太、床束、柱・筋かい端部等へ防腐・防蟻薬剤塗布 | 1,800円/㎡ | 木部処理。床下の木材に薬剤を塗る |
| 土壌処理用薬剤による土壌処理 | 2,700円/㎡ | 土壌処理。床下の土に薬剤を撒く |
出典:国土交通省令和7年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業(補助工事単価表)(2026年8月30日確認)
この単価は「相場」ではありません。国が補助金の額を計算するために定めた基準額で、実際の工事費とは別物です。それでも意味があるのは、第三者が同じ工事に付けた値段が公開されているという点です。協会の標準仕様書では木部処理と土壌処理の両方を行うことになっているので、単純に足せば 1,800+2,700=4,500円/㎡ が国の基準の目安になります。見積書の㎡単価がこの水準から大きく離れているなら、なぜ離れているのかを説明してもらう——それが単価を見る目的です。安すぎる場合は片方の処理しかしていない可能性があり、高い場合は薬剤の種類や床下の状況に理由があるはずです。
補助率と上限額もあわせて確認しておきます。補助率は1/3、補助限度額は評価基準型で80万円/戸(加算が適用されると130万円/戸)、認定長期優良住宅型で160万円/戸(加算適用時は210万円/戸)です。防蟻処理だけでこの枠を使い切ることはまずないので、断熱や耐震の工事とセットで検討することになります。
確定申告の雑損控除は「駆除」が対象で「予防」は対象外
税の面では、国税庁が駆除と予防をはっきり分けています。被害が出てからの駆除と修繕は対象になり得ますが、被害を防ぐための予防施工は対象外です。控除額の計算式(2つの式の多い方)、必要書類、3年間の繰越、災害減免法との選択についてはシロアリ駆除費用は確定申告で戻る?雑損控除の対象・対象外と計算式にまとめています。
見積書が「標準仕様」に沿っているか——7項目で確かめる
相見積もりを取れとはよく言われますが、何を比べれば良いのかが分からないと金額の大小しか見られません。シロアリ防除には業界の標準があります。公益社団法人 日本しろあり対策協会は、協会に登録された者が認定薬剤を用い、防除施工標準仕様書および安全管理基準に基づいて処理を行うとしています。この仕様に照らすと、見積書のどこを見れば良いかがはっきりします。
| 確認する項目 | 協会が示す標準 | 見積書での見え方 |
|---|---|---|
| 処理の範囲 | 土壌処理と木部処理の両方を行うことになっている | 明細に両方があるか。片方だけなら理由を確認 |
| 木部処理の範囲 | 新築では基礎天端から1mまでの部材、浴室回り、洗面所や台所などの水回りの木材 | 処理する部材・箇所が書かれているか |
| 入念な処理が要る箇所 | 木口、切り欠き、ボルト穴、仕口、接合部、コンクリート接触面 | 「一式」で済まされていないか |
| 薬剤 | 協会の認定薬剤を使用 | 薬剤名の記載があるか。無ければ質問する |
| 施工する人 | 協会に登録された者(しろあり防除施工士) | 資格や登録の記載があるか |
| 再処理の目安 | 防除施工標準仕様書では5年を目途に再処理 | 保証が5年である根拠。5年より極端に長い保証は条件を読む |
| 防腐処理 | シロアリが生息する地域では防蟻処理と防腐処理を同時に行う必要がある | 防腐が含まれるか、別料金か |
工法についても協会の説明があります。ベイト工法は、駆除剤を混入した餌をシロアリに摂食させて集団を死滅させるシステムに対して協会が付けた名称で、IPM(総合的害虫管理)の理念に沿い、従来工法の約1,000分の1という少量の薬剤で環境負荷を下げる閉鎖系のシステムだと説明されています。「薬剤が少ない=効きが弱い」ではなく、設計思想が違うという理解が正確です。
出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会「シロアリ防除について」(土壌処理・木部処理の範囲、認定薬剤と標準仕様書、5年を目途とする再処理、ベイト工法の定義と薬剤量、防蟻と防腐の同時施工、2026年8月29日確認)。本表は見積書を読むための観点であり、金額の妥当性は複数社の見積もりで比較してください。引用される場合は出典として本ページのURLをご記載ください。
補助金を利用する際の注意点と申請の一般的な流れ
補助金・助成金を活用する際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
- 多くの制度で「工事着工前の申請」が条件になっているため、業者に依頼する前に自治体への確認・申請を済ませておく必要がある場合が多い
- 予算の上限に達し次第、受付が終了する制度もあるため、早めの情報収集が望ましい
- 補助対象となる業者や工事内容に条件が設けられている場合があり、どの業者でも対象になるとは限らない
- 補助金は工事完了後に交付される「後払い方式」が一般的であり、工事費用自体は一旦施主が負担する必要があるケースが多い
- 申請には見積書や工事計画書、住宅の登記事項証明書などの書類が求められることが一般的
一般的な申請の流れとしては、以下のようなステップを踏むことが多いとされています。
- 自治体の窓口やホームページで、対象となる制度の有無と条件を確認する
- 制度がある場合、必要書類(申請書、見積書、建物の図面や登記情報など)を準備する
- 工事着工前に申請書類を提出し、審査・交付決定の通知を待つ
- 交付決定後に業者へ工事を依頼し、施工を実施する
- 工事完了後、完了報告書や領収書などを提出する
- 審査を経て、補助金が指定口座に振り込まれる
このように、着工前の手続きを省略してしまうと補助対象外となる可能性があるため、業者選定と並行して自治体への確認を早めに進めることが重要なポイントになります。
費用が変動する主な要因
シロアリ駆除の費用は、以下のような要因によって幅が生じます。
- 家の広さ:施工面積が広いほど、薬剤量や作業時間が増えるため費用も上がる傾向がある
- 被害状況:被害が軽微な予防段階と、木部の食害が進行した状態とでは、必要な処理内容や補修範囲が異なる
- 床下の形状や高さ:床下が狭く作業しづらい住宅では、追加の作業費が発生することがある
- 使用する薬剤の種類:薬剤の効果持続年数や成分によって単価が異なり、持続年数が長いタイプはやや割高になる傾向がある
- 工法の違い:バリア工法とベイト工法では、初期費用や継続的なモニタリング費用の構成が異なる
- 基礎補修や木部交換の有無:被害が進んでいる場合、駆除に加えて補修工事が必要になり、総額が大きく変わることがある
- 建物の築年数や構造:築年数が古い住宅や、床下点検口が少ない構造では作業の手間が増えることがある
これらの要因が組み合わさることで、同じ延床面積の住宅でも見積額に差が出ることは珍しくありません。複数の要因を業者に確認したうえで、見積内容を比較することが大切です。
費用を抑えるコツ
費用負担をできるだけ抑えるためには、以下のような工夫が考えられます。
- 複数業者から見積もりを取り、施工内容や保証内容も含めて比較検討する
- 被害が軽微な段階で早めに予防処理を行い、被害拡大による補修費用の発生を防ぐ
- 自治体の補助金・助成金制度の有無を事前に確認し、対象になりそうな工事内容を把握しておく
- 床下換気の改善や湿気対策など、シロアリが発生しにくい環境を日頃から整えておく
- 薬剤の効果持続年数を確認し、次回の点検・再施工のタイミングを見据えて契約内容を検討する
- 点検やシロアリ被害の有無の確認は無料で行っている業者も多いため、まずは現状把握から始める
特に、被害が進行してから対応するよりも、予防段階や軽微な被害の段階で処理を行うほうが、結果的に総費用を抑えられる傾向があるとされています。
自分で駆除する場合とプロに依頼する場合の違い
ホームセンターやオンラインでは、市販のシロアリ駆除剤やベイト剤が販売されており、「シロアリ駆除 自分で」と検索して情報を探す方も少なくありません。DIYでの対応にはメリットとリスクの両面があります。
自分で駆除する場合のメリットとしては、業者に依頼するよりも費用を抑えられる可能性がある点や、軽微な被害であれば市販薬剤で一定の効果が期待できる点が挙げられます。数千円〜数万円程度の薬剤費で対応できるケースもあります。
一方でリスクとしては、以下のような点が指摘されています。
- 床下全体の被害範囲や巣の位置を正確に把握することが難しく、見えない部分の被害を見落とす可能性がある
- 市販薬剤は効果の持続期間や範囲がプロ用の薬剤と異なる場合があり、再発リスクが残ることがある
- 床下の作業は狭く暗い環境での作業になるため、安全面での負担が大きい
- 被害が進行していた場合、駆除だけでなく木部の補修や基礎の点検が必要になることがあり、専門知識がないと判断が難しい
- 不完全な処理により、後から被害が再燃し、結果的に補修費用も含めた総額が高くなる可能性がある
プロに依頼する場合は、床下全体の点検から薬剤選定、施工、保証まで一貫して対応してもらえる点が特徴です。多くの業者では施工後に一定期間の保証(5年程度が一つの目安とされることが多い)を設けており、再発時の対応が含まれることもあります。被害が軽微で予防目的であれば自分での対応を検討する余地もありますが、被害が疑われる場合や広範囲に及ぶ可能性がある場合は、専門業者による点検を受けることが望ましいと考えられます。
悪質業者の見分け方
シロアリ駆除業界では、不安をあおって高額な契約を迫るような悪質な業者も一部で存在するとされており、注意が必要です。以下のようなポイントに当てはまる業者には、慎重に対応することが望ましいでしょう。
- 点検後、その場での即決契約を強く迫ってくる
- 見積書の内訳が不明瞭で、施工面積や単価の根拠が説明されない
- 他社と比較することを露骨に嫌がる、または比較させないよう急かす
- 「今だけ」「今日中なら割引」といった過度な値引きを強調してくる
- 会社の所在地や連絡先、保証内容の説明があいまいである
- 点検結果の写真や具体的な被害箇所の説明がなく、口頭のみで不安をあおる
これらに該当する場合は、その場で契約せず、いったん持ち帰って複数社に見積もりを依頼することが望ましい対応です。契約前に工事内容・保証期間・アフター対応の有無を書面で確認する習慣をつけることが、トラブル回避につながります。
シロアリが発生しやすい家の特徴
シロアリの被害は、住宅の立地や構造によって発生しやすさに差が出るとされています。以下のような特徴に当てはまる住宅では、日頃から注意を払っておくとよいでしょう。
- 床下の湿気がこもりやすい立地(周辺に水路や湿地がある、日当たりや風通しが悪いなど)
- 基礎の通気口がふさがれていたり、物が置かれていたりして換気が不十分な住宅
- 雨漏りや配管からの水漏れが過去にあり、木部が湿った状態が続いた履歴がある住宅
- ウッドデッキや木製フェンスなど、地面に近い木材が建物のすぐ近くに設置されている場合
- 過去に一度もシロアリ対策(防蟻処理)を行ったことがない築年数の古い住宅
これらの特徴に複数当てはまる場合は、被害の有無にかかわらず、一度専門業者による点検を受けておくと安心材料になります。
依頼先の種類と選び方
シロアリ駆除を依頼できる先には、いくつかの種類があります。それぞれ特徴が異なるため、目的に応じて選ぶことが大切です。
専門業者・リフォーム会社・ハウスメーカーの違い
- シロアリ駆除専門業者:駆除・予防処理に特化しており、床下点検や薬剤施工の実績が豊富な傾向がある
- リフォーム会社:シロアリ駆除と合わせて、被害箇所の木部補修やリフォーム工事もまとめて依頼しやすい
- ハウスメーカー・工務店:新築時や過去に施工を担当した業者であれば、建物の構造を把握したうえで対応してもらいやすい
被害が軽微で駆除・予防のみを希望する場合は専門業者、被害箇所の補修や内装工事も同時に検討している場合はリフォーム会社への相談が向いていることが多いとされています。いずれの場合も、複数の候補から見積もりを取り、対応内容や費用を比較することが望ましいでしょう。
保証内容の確認
多くの業者では施工後に一定期間(5年程度が一つの目安)の保証を設けており、保証期間内に再発した場合の再施工対応が含まれることがあります。保証の対象範囲(再発時の薬剤費のみか、施工費まで含むか)や、保証を受けるための条件(定期点検の受診など)は業者によって異なるため、契約前に書面で確認しておくことが大切です。
シロアリ被害に気づくためのセルフチェック
シロアリは床下など目につきにくい場所で被害が進行することが多いため、早期発見のためには定期的なセルフチェックが役立ちます。ただし、あくまで初期的な目安の確認にとどめ、床下への無理な立ち入りは避けることが前提です。
確認しておきたいポイント
- 床のきしみや沈み込み、フローリングのわずかな変形がないか
- 基礎や外壁の周辺に、土でできた蟻道(細い筒状の通り道)が見られないか
- 羽アリが室内や庭先で発生していないか、特に春から初夏にかけての時期
- 木部を軽くたたいたときに、通常と異なる空洞のような音がしないか
- 浴室や台所など水回り周辺の湿気がこもりやすい箇所に異変がないか
これらのサインが一つでも見られる場合は、被害が進行している可能性があるため、早めに専門業者へ点検を依頼することが望ましいとされています。多くの業者では点検自体を無料で行っているため、まずは現状把握から始めるとよいでしょう。
点検を依頼する目安の時期
新築であっても築5年前後から防蟻処理の効果が薄れ始めるとされることが多く、定期的な点検の目安として意識されるケースがあります。過去に処理を行った住宅でも、使用した薬剤の効果持続年数(5年程度が一つの目安)が近づいたタイミングで再点検を検討すると、被害の早期発見につながりやすくなります。
よくある質問(FAQ)
シロアリ駆除の費用はいつ払うのが一般的ですか
多くの業者では、施工完了後の支払いを基本としていますが、契約内容によっては着手金が必要な場合もあります。契約前に支払いタイミングを確認しておくと安心です。
補助金はどの自治体でも利用できますか
いいえ、全国一律の制度ではなく、自治体によって制度の有無や内容が異なります。制度がない地域も多いため、まずは居住地の窓口で確認することが必要です。
賃貸住宅でもシロアリ駆除の補助金は使えますか
多くの制度は持ち家の所有者を対象としている傾向があり、賃貸の場合は貸主側での対応や制度の対象外となることが多いとされています。詳細は物件の管理会社や自治体に確認するとよいでしょう。
市販薬剤だけでシロアリを完全に駆除できますか
被害の範囲や巣の位置によっては、市販薬剤だけでは対応しきれない場合があります。軽微な被害であれば一定の効果が期待できることもありますが、被害が広範囲に及ぶ可能性がある場合は専門業者による点検を受けることが望ましいとされています。
シロアリ駆除の効果はどのくらい持続しますか
使用する薬剤や工法によって異なりますが、5年程度を目安に再点検や再施工を推奨する業者が多い傾向にあります。契約時に効果の持続期間について確認しておくとよいでしょう。
マンションでもシロアリ駆除は必要ですか
鉄筋コンクリート造のマンションは木造住宅に比べてシロアリ被害のリスクは低いとされていますが、木製の建具や下地材、専有部の内装によっては被害が生じる可能性はゼロではありません。共用部分については管理組合が対応することが一般的なため、被害が疑われる場合はまず管理会社や管理組合に相談する流れになります。
駆除作業の時間はどれくらいかかりますか?
一般的な木造住宅(床面積30坪程度)で、バリア工法(薬剤散布)を行う場合、作業時間は3時間〜5時間程度が目安です。作業員の人数や建物の構造、被害状況によって前後します。ベイト工法の場合は、初回にベイトステーションを設置する作業で1〜2時間程度、その後の定期的な点検は30分〜1時間程度で済みます。
駆除中の薬剤は人体やペットに安全ですか?
現在、専門業者が主に使用している薬剤は、公益社団法人日本しろあり対策協会などが認定した、安全性の高いものがほとんどです。哺乳類への毒性が低く、適切に使用すれば人体や犬・猫などのペットへの影響は少ないとされています。ただし、化学物質に過敏な方や、アレルギー体質の方がご家族にいる場合、また魚類や昆虫などを飼育している場合は、事前に業者へしっかり相談してください。薬剤を散布しないベイト工法を選択したり、より安全性の高い天然成分由来の薬剤を提案してくれたりする場合があります。
保証期間とは何ですか?どのような内容ですか?
多くのシロアリ駆除業者は、施工後に5年間の保証を付けています。これは、保証期間内にシロアリ被害が再発した場合、無料で再調査・再施工を行うというアフターサービスです。保証内容は業者によって異なり、「年に1回の無料点検付き」「被害箇所の修復費用を一部負担する保険付き」など、さまざまなプランがあります。契約前には、保証書の見本を見せてもらい、保証の対象範囲(施工した建物全体か、一部か)、免責事項(保証が適用されないケース)、保証を受けるための条件などを隅々まで確認することが非常に重要です。
火災保険はシロアリ被害に使えますか?
一般的に、火災保険はシロアリによる被害(食害)を補償の対象外としています。火災保険の基本的な補償範囲は「火災、落雷、破裂・爆発」などであり、シロアリ被害は「予測が困難な突発的な事故」とは見なされないためです。ただし、ごく稀に特約で「建物付属設備への水濡れ」が原因でシロアリが発生した場合などに適用されるケースも考えられますが、非常に限定的です。基本的には、火災保険はシロアリ被害には使えないと考えておくのが現実的です。
【工法・箇所別】シロアリ駆除の費用相場
シロアリ駆除の費用は、建物の広さや被害状況、採用する工法によって大きく変動します。ここでは、一般的な目安となる費用相場を、工法や施工箇所ごとにご紹介します。あくまで目安として、ご自身の状況と照らし合わせる際の参考にしてください。
費用の算出方法は、主に「坪単価」または「平米(㎡)単価」が用いられます。多くの業者は1階の床面積を基準に見積もりを作成します。
工法(バリア/ベイト)ごとの単価を公表している調査は、今回見つけられませんでした。そのため、この記事では工法別の金額を書きません。かわりに、公表されているのは「業者のタイプ別」の単価です。主要19社のHP調査から、1㎡あたりの単価をそのまま並べます。
| 業者のタイプ | 1㎡あたり(税込) | 床下30坪(99㎡)での総額 |
|---|---|---|
| インターネット仲介業者 | 1,320円 | 約13.1万円 |
| 地域密着型の中小企業 | 2,163円 | 約21.4万円 |
| 主要19社の平均 | 2,153円 | 213,147円 |
| 大手ホームセンター・ハウスメーカー | 2,329円 | 約23.1万円 |
| 全国展開する大手企業 | 2,795円 | 約27.7万円 |
いちばん安いタイプといちばん高いタイプで2.1倍です(1,320円と2,795円)。工法よりも、どのタイプの業者に頼むかのほうが、公表値では効いています。大手が高いぶんには保証年数や点検の付帯が違うので、単価だけでなく「保証は何年か」「点検は年何回か」を揃えて比べてください。
部分施工(玄関・勝手口・浴室のみ)や、壁内・柱への穿孔注入処理の金額も、公表しているところは確認できませんでした。被害箇所を限定した見積もりを取るときは、床下全体で施工した場合との差額を必ず聞いてください。シロアリは目に見えない場所で広範囲に活動していることが多く、部分施工で足りるかどうかは調査結果しだいです。
出典:アリプロ「シロアリ駆除の費用相場(主要19社のHP調査)」(同記事内で引用されている一般財団法人 経済調査会の調査を含む/2026年9月4日確認)。面積は床下(1階部分)の面積で、延床面積ではありません。
バリア工法は、床下や建物の基礎周りに液体の薬剤を散布して、シロアリが侵入できないようにバリア層を形成する、即効性の高い一般的な工法です。比較的費用を抑えやすい傾向にありますが、薬剤の臭いが気になる場合や、床下に人が入れない構造の場合は施工が難しいことがあります。
一方、ベイト工法は、建物の外周に「ベイト剤」と呼ばれる毒餌が入った専用容器を複数設置し、それを食べた働きアリが巣に持ち帰ることで、巣ごと根絶を目指す工法です。薬剤を散布しないため、小さなお子様やペットがいるご家庭、化学物質に敏感な方でも安心感が高いのが特徴です。ただし、効果が現れるまでに数ヶ月かかる場合があり、初期費用はバリア工法より高くなる傾向にあります。また、巣が根絶するまで定期的なモニタリングが必要で、年間管理費が発生することが一般的です。
被害が玄関や浴室など限定的な場合は、部分的な施工で対応できることもありますが、多くの場合、シロアリは目に見えない場所で広範囲に活動しているため、床下全体の調査と施工が推奨されます。見積もりを取る際は、どの範囲をどのような工法で駆除するのか、詳細を確認することが大切です。
出典:国土交通省(2026-09-07 時点でリンクの到達を確認)
まとめ
シロアリ駆除の費用は「床下の面積 × ㎡単価」で決まります。公表されている調査では、床下30坪(99㎡)で213,147円(主要19社の平均)〜321,750円(経済調査会)。使う面積は延床ではなく床下(1階部分)です。被害状況や床下の形状、使用する薬剤の種類によって金額は変動するため、複数業者から見積もりを取り、㎡単価と施工面積が書かれているかを確認しながら内訳を比較することが大切です。
出典:アリプロ「シロアリ駆除の費用相場(主要19社のHP調査)」(同記事内で引用されている一般財団法人 経済調査会の調査を含む/2026年9月4日確認)。面積は床下(1階部分)の面積で、延床面積ではありません。
補助金・助成金については、全国共通の制度ではなく、自治体ごとに有無や内容が異なります。住宅リフォーム関連の補助制度の一部に防蟻工事が含まれているケースもあるため、着工前に自治体窓口で確認し、必要書類を揃えたうえで申請することが、費用負担を軽減する一つの方法になります。自分で対応するか専門業者に依頼するかは、被害の程度やリスク許容度を踏まえて判断し、悪質業者の特徴にも注意しながら、納得のいく形で駆除・予防を進めていくことをおすすめします。
専門業者に無料で見積もりを依頼したい場合は、見積もりガイドもあわせてご確認ください。
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