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売電価格2026|住宅用は最初の4年24円・5年目から8.3円

公開 2026-08-05|更新 2026-09-04|修繕ナビ編集部

太陽光発電の売電価格は毎年見直されており、2026年度の住宅用(10kW未満)は「最初の4年間24円/kWh・5年目以降8.3円/kWh」の二段階単価です(経済産業省・調達価格等算定委員会の公表値)。「昔より安くなった」と言われますが、単価の下がり方には設計意図があり、収支は「売る」だけでなく「自家消費でいくら買わずに済むか」で決まる時代になっています。この記事では2026年度の売電価格、収入の考え方、売電できなくなるケース、名義変更や確定申告まで、売電まわりの疑問を一通り解説します。制度は年度ごとに変わるため、契約前には必ず経済産業省の最新公表値を確認してください。

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2026年度の売電価格(FIT)一覧

区分売電単価買取期間備考
住宅用(10kW未満)最初の4年間 24円/kWh
5年目以降 8.3円/kWh
10年間余剰売電。10年平均では14円台
10kW以上50kW未満(屋根設置)最初の5年間 19円/kWh
6年目以降 8.3円/kWh
20年間発電量の30%以上の自家消費が要件
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「10年平均では14円台」の中身も出しておきます。24円×4年+8.3円×6年=145.8円。10で割って1kWhあたり14.58円です。かつての一律単価と比べるときは、この平均のほうで見てください。

あわせて、2027年度の単価もすでに公表されています。住宅用(10kW未満)は2026年度と同じ最初の4年間24円/kWh・5年目以降8.3円/kWh・調達期間10年で据え置きです。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」(PDF、2026年9月4日確認)。

ポイントは、単価が期間の前半に寄せられていることです。前半の高単価は初期費用の回収を早めるための設計で、「初期投資支援スキーム」と呼ばれます。適用される単価は認定を受けた年度で固定されるため、いつ申請したかで10年間の条件が決まります。

なぜ二段階単価になったのか

以前のFITは10年間同じ単価でしたが、2025年10月以降の認定分から、前半に厚く・後半に薄く配分する二段階制に変わりました。狙いはシンプルで、設置した人が初期費用を早く回収できるようにして、導入のハードルを下げることです。後半の8.3円という単価は「売っても大きくは儲からない」水準ですが、これは「後半は売るより自分で使う方が得」という構造への誘導でもあります。制度の建て付けを知っておくと、営業トークの「今がお得」の意味を自分で検証できるようになります。

この二段階の単価は、公表資料の注記で「2026年度のFIT調達価格・調達期間については、2025年度下半期にも適用」と明記されています。2025年10月以降に認定を受けた人から、すでにこの形です。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」(PDF、2026年9月4日確認)。

売電収入の目安はどう計算するか(国の想定値で計算する)

収入は「発電量のうち、自家消費しなかった分×単価」です。発電量と自家消費の割合を勝手に置くと、いくらでも都合のいい数字が作れてしまうので、売電価格を決めるときに国が使っている想定値をそのまま入れて計算します。同じ委員会が実績値も公表しているので、両方を並べます。

前提国の想定値集計された実績値
設備利用率13.7%14.1%(2025年1〜8月・シングル発電案件の平均)
余剰売電比率70.0%64.8%(同・中央値60.7%)

4kWのシステムで計算します。1年は8,760時間です。

ここが面白いところです。実際の家は国の想定よりよく発電しているのに、売電収入は少なくなる。理由は自家消費の割合で、想定30%に対して実績は35%強。そして売れば8.3円にしかならない電気を、自分で使えば買電1kWhぶんを浮かせられます。売電収入が想定を下回るのは、損をしているのではなく、より得なほうに回っているからだと読んでください。

営業資料の収支シミュレーションを見るときは、①発電量の前提が設備利用率14%前後に収まっているか、②5年目以降の単価が8.3円で計算されているか、③電気代高騰の想定が極端でないかの3点をチェックしてください。設備利用率が18%や20%で組まれている資料は、その時点で過大です。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」/同 第114回 資料2「令和9年度以降の調達価格等に関する意見(案)」(いずれもPDF、2026年9月4日確認)。

いまは「売る」より「使う」が得

電気料金の目安単価として、全国家庭電気製品公正取引協議会が1kWhあたり31円(税込)を示しています(令和4年7月22日改定)。一方、後半の売電単価は8.3円です。つまり同じ1kWhでも、売れば8.3円、自分で使えば31円ぶんの買電を避けられる。その差は22.7円で、約3.7倍という非対称があります。

さらに、調達期間の10年が終わったあとの売電価格は、2025年12月時点で確認できた買取メニューで平均10.0円/kWh(中央値9.5円/kWh)。卒FIT後も、この非対称は解消しません。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」(PDF、2026年9月4日確認)/公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」(令和4年7月22日改定/2026年9月4日確認)。

日中に家電を動かす、エコキュートの沸き上げを昼にずらす、蓄電池に貯めて夜使うといった「自家消費を増やす工夫」が、売電単価の低下を補う主な手段です。蓄電池の費用感は家庭用蓄電池の費用相場にまとめています。

売電できなくなる・減るケース

「売電できなくなった」という相談には典型パターンがあります。①出力制御:電気が余る時間帯に電力会社側が一時的に買取を止める仕組みで、地域によっては発生します。②認定・手続きの問題:事業計画認定の失効や、引っ越し・相続時の名義変更漏れで振込が止まるケース。③設備の問題:パワーコンディショナーの故障で発電自体が止まっているのに気づかないケースは意外と多く、モニターの発電量を月に一度は確認するのが予防策です。④卒FIT:10年間の買取期間が終わると高単価の売電は終了します(後述)。売電収入が急に減ったら、まずモニター→振込明細→電力会社への問い合わせ、の順で切り分けましょう。

名義変更が必要になるとき

相続・住宅の売買・離婚などで設備の持ち主が変わる場合は、経済産業省の事業計画認定の変更手続きと、電力会社側の契約名義変更の両方が必要です。放置すると売電代金の振込先や契約関係が宙に浮き、トラブルの元になります。相続した家に太陽光が載っている場合は、不動産登記と併せて早めに手続きを確認してください。手続きの詳細は資源エネルギー庁の再生可能エネルギー電子申請サイトで案内されています。

売電が始まるまでの流れ

売電はパネルを載せた日からではなく、手続きが揃ってから始まります。標準的な流れは「①業者と契約→②電力会社へ接続契約の申し込み→③経済産業省へ事業計画認定の申請→④設置工事→⑤電力会社との連系(受給開始)」。申請から連系まで数か月かかることも珍しくないため、収支計画は「連系した月」を起点に考えます。業者選びの段階で「認定と連系までどのくらいかかりそうか」を聞いておくと、単価の年度またぎリスクも含めて見通しが立ちます。

売電明細はどこで確認する?

売電の入金は電力会社(または買取先)からの購入実績として明細で確認できます。多くの会社はWebの会員ページで月々の買取量と金額を照会できます。おすすめの習慣は、パワーコンディショナーのモニターに出る「売電量」と、明細の「買取量」を月に一度突き合わせること。大きくズレていたら、機器の不調か手続きの問題が起きているサインです。故障の放置は「気づかないうちに数か月分の売電を失う」典型パターンなので、この一手間が保険になります。

出力制御とは何か・どう備えるか

出力制御は、電気の需要が少ない時間帯(春秋の晴れた昼など)に、電力会社が太陽光の買取を一時的に止める仕組みです。発生の頻度は地域の需給バランスによって差があり、ゼロの地域もあれば、年に一定回数発生する地域もあります。住宅用の余剰売電では影響が限定的なことが多いものの、収支シミュレーションが「制御ゼロ」前提なら、その分は割り引いて見るのが堅実です。備えとしては、制御されやすい昼間に自家消費を寄せる(蓄電池・エコキュートの昼沸き上げ)のが実質的な対策になります。

10kW以上を検討している場合の注意

カーポートや大きな屋根で10kW以上を載せる場合、2026年度の屋根設置区分は「最初の5年19円・以降8.3円・買取20年」ですが、発電量の30%以上を自家消費することが認定の要件です。売電目的で全量を売るような計画は組めなくなっており、「自家消費で使い切れる規模か」から逆算する設計が前提になります。この区分の国の想定値は、システム費用15.0万円/kW、自家消費比率30%、運転年数20年です。住宅用(25.5万円/kW)より1kWあたりの想定費用が4割ほど安く置かれていることに注意してください。規模が大きいぶん安く作れる前提で単価が決まっている、ということです。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」(PDF、2026年9月4日確認)。

事業用に近い規模の導入は、税務(償却資産)や保険も含めて話が広がるため、住宅用以上に複数社の提案を比較してください。

卒FIT(10年経過後)の選択肢

買取期間が終わった後も売電は可能ですが、単価は各社の自由契約となり、おおむね1桁円台に下がります。選択肢は3つ。①今の電力会社の卒FITメニューで売り続ける(手続きが簡単)、②買取単価の高い新電力に切り替える(数円の差が出ることがあります)、③蓄電池を導入して自家消費に切り替える(電気代の節約幅で回収)。どれが得かは電気の使い方次第ですが、卒FITのタイミングは蓄電池の検討時期として合理的です。

売電収入に確定申告は必要?

国税庁は、給与を1か所から受けていて源泉徴収されている人について、給与所得・退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超える人は確定申告をしなければならない、としています。ここでいう20万円は収入ではなく所得(収入から経費・減価償却を引いた額)です。また「確定申告をすれば税金が還付される人は除く」とも書かれており、医療費控除などで還付申告をするなら、この20万円の例外は使えません。

出典: 国税庁 タックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(2026年9月4日確認)。

住宅用の余剰売電では、この水準に届かないことが多いものの、収入額や他の副収入との合算によっては申告対象になります。判断に迷う場合は国税庁のタックスアンサーや税務署・税理士に確認してください。ここは「たぶん大丈夫」で流さないのが安全です。

単価は申請時期で決まる:スケジュールの注意

適用単価は「いつ設置したか」ではなく「どの年度の認定を受けたか」で決まります。年度末は申請が混み合い、認定が翌年度にずれると翌年度の単価が適用されます。設置を決めたら、業者任せにせず認定申請のスケジュールを見積もり段階で確認しておきましょう。設置費用の相場は太陽光発電の費用相場、業者選びは太陽光発電の見積もり比較で解説しています。

営業トークを数字で検証する

売電価格の知識は、営業トークの検証にそのまま使えます。「売電で元が取れます」と言われたら、シミュレーションの5年目以降が8.3円で計算されているかを見る。24円が10年続く前提の資料は、それだけで信頼度を下げてよい材料です。「今年度の単価がラストチャンス」と言われたら、単価は毎年見直されるのが通常運転であり、前半に厚い二段階制になってからは「早い方が回収が早い」のは事実でも「今を逃すと損」とは限らない、と冷静に読み替える。「電気代はこれからもっと上がるので必ず得」には、上がるかどうかは不確実で、シミュレーションの電気代上昇率の前提(年何%か)を確認する。数字の前提を1つずつ確かめる姿勢を見せるだけで、強引な営業は通用しなくなります。訪問販売で相場より高い契約を結ばされる事故は太陽光でも典型なので、必ず複数社の見積もり比較を挟んでください。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」(PDF、2026年9月4日確認)。

再エネ賦課金との関係も知っておく

電気料金の明細にある「再エネ賦課金」は、FITの買取費用を電気利用者全体で負担する仕組みです。つまり売電単価は、この賦課金に支えられています。制度が「売電で儲ける」形から「自家消費を促す」形へ移ってきた背景には、この国民負担を抑える狙いがあります。制度の方向性を知っておくと、今後の単価見直しのニュースも文脈ごと理解できるようになります。

よくある質問

Q. 途中で売電単価が変わることはある?
FIT期間中の単価は認定時に固定され、制度上の二段階(4年目→5年目)以外で変わることはありません。年度ごとの見直しは「新規に認定を受ける人」の単価の話です。

Q. 蓄電池を付けると売電量は減る?
自家消費が増える分、売電量は減ります。ただし後半単価8.3円の時代は「売電が減っても買う電気が減る方が得」になる計算が成り立ちやすく、トータルの収支で判断します。

Q. パネルを増設したら単価はどうなる?
増設の内容によって認定の扱いが変わる場合があります。契約中の単価に影響することがあるため、増設前に必ず業者と電力会社・経産省の手続きを確認してください。

Q. 引っ越したら売電契約はどうなる?
設備ごと家を売る場合は買主への名義変更、設備を残して貸す場合も契約関係の整理が必要です。放置すると振込や責任の所在が曖昧になるため、住み替えの計画段階で業者と電力会社に確認してください。

Q. 売電と補助金は併用できる?
国や自治体の太陽光・蓄電池補助金とFIT売電は基本的に併用できます(制度ごとの条件あり)。補助金の最新状況は太陽光発電の補助金で確認してください。

Q. 2027年度はもっと下がる?
下がりません。2027年度も2026年度と同じ「最初の4年間24円/kWh・5年目以降8.3円/kWh・調達期間10年」で公表されています。システム費用や設備利用率などの想定値も据え置きです。「今年度がラストチャンス」という営業トークは、少なくとも住宅用の単価に関しては成り立ちません。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」(PDF、2026年9月4日確認)。

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まとめ:単価は「4年24円→8.3円」、収支は自家消費で決まる

2026年度の住宅用売電価格は最初の4年間24円・以降8.3円の二段階制で、2027年度も同じ条件で据え置きが公表済みです。10年平均に直すと14.58円(24×4+8.3×6÷10)。売電だけで大きく稼ぐ制度ではなくなった一方、前半の回収は早くなり、「使って節約する」価値は電気代の高止まりで上がっています。収支シミュレーションの前提を自分で検証し、複数社の見積もり比較で設置費用を抑えることが、売電単価の時代変化に対する一番確実な対策です。単価は毎年変わりますが、「前提を自分で確かめてから決める」という手順は変わりません。

出典: 経済産業省 調達価格等算定委員会「①太陽光発電(10kW未満):令和8年度以降(2026年度以降)の調達価格等について」(PDF、2026年9月4日確認)。

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