BS/CSアンテナ設置費用|3社の公表実額
衛星放送(BS/CS)を見るために必要なのが、皿型のパラボラアンテナです。費用は、料金表を公開している3社では地デジ工事に追加する形で15,000〜33,000円、地デジとまとめて頼んだ場合の総額で35,000〜89,100円です(税込・2026年8月30日確認)。BS/CS単体で設置する場合の料金は、3社とも公開していません。結論から言うと、地デジアンテナの新設・交換の予定があるなら同時工事のほうが割安です。この記事では費用の内訳と幅が出る理由、設置場所の選び方、4K8K対応の注意点、映らないときのチェックリスト、業者選びのポイントまでを一通り解説します。
費用は依頼先で大きく変わります。相場の確認は、無料でできる複数社見積もりの比較が近道です。
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料金表を公開している3社の実際の金額です(税込・2026年8月30日確認)。3社とも「地デジ工事に追加する」形でしか料金を公開していません。
| 業者 | 地デジ工事に追加する場合 | 備考 |
|---|---|---|
| あさひアンテナ | 15,000円 | BS/CSアンテナ追加工事。耐風速タイプは要問合せ |
| みずほアンテナ | +19,800円 | BS/CS取り付け工事セット。4K8Kセットも+19,800円 |
| クラウンクラウン | 33,000円 | 標準タイプ。耐強風・黒色は41,800円 |
出典:あさひアンテナ/みずほアンテナ/クラウンクラウン(いずれも税込・2026年8月30日確認)
BS/CS単体で設置する場合の料金は、3社とも公開していません。アンテナ本体だけでなく、既存の配線に混合器や分配器を入れる作業が家ごとに違うためです。単体で頼むときは、上の追加料金がそのまま当てはまるとは考えず、現地調査のうえで総額を出してもらってください。地デジも一緒に工事するなら、配線とブースターを共有できるぶん割安になります(3社の総額比較)。
費用の内訳と、金額に幅が出る理由
BS/CS工事の費用は大きく「アンテナ本体代」「取付・固定の工事費」「配線・接続の工事費」で構成されます。同じ単体後付けでも金額に幅が出るのは、①設置場所(ベランダなら作業が簡単、屋根上なら高所作業が加わる)、②配線の引き込み方(既存の配線に割り込めるか、新規に引くか)、③ブースターの要否(複数部屋に分配する家では必要になりやすい)、の3点で工事量が変わるためです。見積もりを見るときは、この3点がどう扱われているかを確認すると、金額の妥当性を判断しやすくなります。地デジ側も含めた工事費全体の内訳はアンテナ工事費用の相場で解説しています。
同時工事が得な理由
BS/CSアンテナは、地デジアンテナと配線・分配器・ブースターを共有できます。別々の日に工事すると出張費や配線作業が二重にかかりますが、同時なら一度で済み、機器もまとめて選定できるため、後から追加するより総額を抑えやすいのです。地デジアンテナの種類をこれから選ぶ方はアンテナの種類と選び方、外観重視ならデザインアンテナの種類と費用もあわせてご覧ください。
設置場所はどこがいい?ベランダ・壁面・屋根上の比較
BS/CSアンテナの絶対条件は南西方向の上空が開けていることです。衛星は南西の空にあるため、この方向に建物や樹木があると受信できません。条件を満たす場所の中から、次の観点で選びます。
| 設置場所 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| ベランダ手すり・壁面 | 工事費を抑えやすくメンテも容易 | 南西向きのベランダに限る |
| 外壁(高い位置) | 障害物をかわしやすい | 高所作業の分、費用が上がる場合あり |
| 屋根上(マスト共架) | 地デジアンテナと支柱を共有できる | 点検・調整のたびに高所作業になる |
方角の調整はミリ単位の精度が求められ、少しのズレで受信レベルが大きく落ちます。受信レベルを測りながらの固定が必須で、ここがDIYで最もつまずくポイントです。
4K8K放送を見たい場合の注意
新4K8K衛星放送を見るには、右左旋対応(SHマーク付きなど)のパラボラアンテナが必要です。古いBSアンテナのままでは、4K8Kの一部チャンネルが受信できません。また注意したいのは、アンテナ単体では完結しないこと。ブースター・分配器・壁面端子・ケーブルといった宅内機器まで対応品でないと、信号が途中で減衰・遮断されることがあります。4K8K目的でアンテナを立てる場合は、「アンテナから宅内機器・テレビまで一式対応か」を業者に確認し、見積もりに含まれる機器の型番を控えておくと安心です。
そもそもBSとCSは何が違う?
おさらいすると、BS(放送衛星)とCS(通信衛星)はどちらも衛星放送ですが、チャンネル構成が異なります。BSはNHK BSや民放系BS局など無料で見られるチャンネルが中心(NHKのBS放送は受信契約の対象です)。CSはスカパー!に代表される有料の専門チャンネルが中心で、視聴には別途契約が必要です。現在市販されているパラボラアンテナの多くはBS・CS両対応(110度CS対応)なので、アンテナ選びでBS用・CS用を分けて悩む必要はほとんどありません。「アンテナを立てれば無料で見られる範囲」と「契約して初めて見られる範囲」を分けて理解しておくと、設置後の期待違いを防げます。
撤去・交換の場合の費用感
古いBSアンテナからの交換では、新設費用に加えて既存アンテナの撤去・処分費が別途かかるのが一般的です。撤去だけを単独で頼むより、新しいアンテナの設置と同時に頼んだ方が出張費をまとめられます。また、4K8K対応化を目的とした交換なら、前述のとおり宅内機器の対応確認までセットで見積もってもらいましょう。アンテナ本体だけ替えても宅内機器がボトルネックになると、交換の目的を果たせません。
アンテナ以外に必要なもの
BS/CS視聴には、アンテナに加えて①BS/CSチューナー内蔵のテレビまたはレコーダー(近年のテレビはほぼ内蔵)、②アンテナケーブルの接続、③有料チャンネル(CSの多くやWOWOW等)を見る場合はその契約、が必要です。「アンテナを立てたのに映らない」と思ったら、実はテレビ側の入力設定や契約の問題だった、というケースも珍しくありません。工事後に業者と一緒に受信確認まで済ませておくと、切り分けの手間が省けます。
自分で設置できる?
ベランダ設置なら市販の取付キットでのDIYも不可能ではありません。ただし、方角の微調整・防水処理・宅内への配線でつまずくケースが多く、受信不良のやり直しや部材の買い直しを考えると、結果的に業者依頼のほうが安く済むことも多いのが実情です。特に屋根上や外壁の高所作業は転落リスクがあるため、DIYは避けてください。挑戦するならベランダ内で完結する範囲に留め、受信レベルの確認方法(テレビのアンテナレベル表示)を先に把握しておきましょう。
映らないときのチェックリスト
設置後・使用中に映らなくなったときは、上から順に確認します。①テレビの入力・チャンネル設定(BS/CSボタンで切り替わっているか)、②ケーブルの接続(アンテナ端子の緩み・抜け)、③テレビのアンテナレベル表示(レベルがゼロなら配線か方角、低いなら天候か調整不足)、④天候(大雨・大雪では一時的に受信レベルが落ちる性質があります)、⑤アンテナの向き(強風後にズレることがある)。天候回復後も映らない場合に、方角ズレや機器故障を疑って点検を依頼するのが目安です。
受信レベルを安定させる3つのコツ
同じアンテナでも、周辺部材で受信の安定度は変わります。第一にケーブルの品質。古い細いケーブルや傷んだケーブルは減衰の原因になるため、新設時は衛星放送対応の同軸ケーブルでそろえます。4K8Kを見るなら対応品であることも確認しましょう。第二にコネクタの処理。差し込みが緩い・芯線が曲がっているだけでレベルは落ちます。第三に分配数を欲張らないこと。使っていない部屋まで分配すると全体の信号が薄まります。視聴する部屋に絞って分配し、足りなければブースターで補う、という順序で考えるとバランスよく収まります。
引っ越し・住み替え時の注意
「前の家で使っていたBSアンテナを新居に持っていけますか」という相談は多いのですが、基本的には新居で新規設置と考えたほうが確実です。取り外し・運搬で精度が落ちることがあるうえ、新居の南西方向の開け方はまったくの別条件だからです。賃貸から退去する場合は、ベランダ設置のアンテナと金具を撤去して原状回復するのが原則。持ち家の売却でも、次の住人が使わないなら撤去を求められることがあります。移設ありきで考えず、新居の受信環境を測ってから判断しましょう。
マンション・賃貸の場合
マンションでは共用アンテナでBS/CSがすでに視聴できる物件が多くあります。まず壁のアンテナ端子にBS/CS信号が来ているか(テレビを繋いで設定画面で確認)を試すのが先です。来ていない場合に個別設置を検討しますが、ベランダへの設置は管理規約の確認が必要です。手すりへの固定金具なら原状回復しやすく、認められるケースが比較的多い方法です。
業者選びのポイント
確認すべきは3点です。①見積もりに本体代・工事費・ブースターの有無が分けて書かれているか、②追加費が発生する条件(高所作業・配線延長など)が事前に説明されるか、③受信レベルの確認まで作業に含まれているか。「一式◯円」だけの見積もりや、現地測定をせずに金額を断定する業者は避けたほうが無難です。
工事を頼む前に準備しておくこと
依頼前に3つ準備しておくと、見積もりが正確になり当日もスムーズです。①見たいチャンネルを決めておく(無料BSだけなのか、CSの有料チャンネルや4K8Kまで見たいのかで機器構成が変わります)。②テレビ・レコーダーの型番を控えておく(BS/CSチューナーや4K対応の有無を業者が判断できます)。③設置できそうな場所の写真を撮っておく(南西方向のベランダや壁面の状況が分かると、電話やメールの段階で概算が出しやすくなります)。この3点を伝えたうえで「追加費が発生する条件」を確認しておけば、当日の想定外をほぼ潰せます。
ケーブルテレビ・光テレビとどちらが得?
BS/CSを見る手段はアンテナだけではなく、ケーブルテレビや光回線のテレビサービスという選択肢もあります。ざっくり言えば、アンテナは初期費用のみで月額不要(有料チャンネル契約を除く)、ケーブル・光は初期費用が軽い代わりに月額料金が続くという構図です。長く住む持ち家で無料チャンネル中心ならアンテナが有利になりやすく、アンテナを立てられない立地や、ネット回線とまとめたい場合はケーブル・光が候補になります。悪天候の影響を受けにくいのもケーブル・光の利点です。自宅の受信環境と視聴スタイルに合わせて選びましょう。
新4K8Kの「左旋」は、アンテナだけ替えても映らない
4K8Kでつまずくのはここです。右旋・左旋というのは電波の進み方(円偏波)のことで、偏波を右回り・左回りに分けることで、同じ周波数を2倍に使えるようにした仕組みです。従来のBS・110°CSは右旋だけでしたが、新4K8Kで左旋が加わりました。
左旋の電波は、右旋より高い周波数に変換されて宅内を流れます。4K8K対応機器は2224〜3224MHzまでの帯域に対応しています。古い設備はこの帯域を通さないので、アンテナを替えても途中で止まってしまいます。
| 替える必要があるもの | 理由 |
|---|---|
| BS・110°CSアンテナ | 4K8K衛星放送対応品でないと左旋を受けられない |
| テレビ(またはチューナー) | 4K(8K)衛星放送に対応したチューナーが要る |
| ブースター | 2224〜3224MHzを通せないと途中で減衰する |
| 分配器 | 同上。左旋帯(2150〜2681MHz)は右旋帯より損失も大きい |
| テレビ端子(壁のコンセント) | 同上。ここが古いままだと最後で止まる |
| ケーブル | 高い周波数ほど減衰が大きいため、対応品への交換が要ることがある |
SHマークは、電子情報技術産業協会(JEITA)で審査・登録され、スーパーハイビジョン衛星放送の受信に適した性能があると認められた機器に付くマークです。電波漏洩を防ぎ、外部からの不要な電波も遮る役割があります。
設備を一つずつ調べるより、「SHマークが付いているか」で見分けるほうが確実です。
なお、BS・110°CSの右旋だけ(従来のBS4Kの一部)なら、既存設備のままで映ることもあります。「4Kを見たい」の中身が右旋だけでいいのか左旋も要るのかで、工事の規模と費用がまったく変わります。見たい番組がどちらかを先に確認してください。
費用面では、料金表を公開している業者で4K8K対応アンテナセットが+19,800円、混合ブースター設置が27,500円〜。分配器やテレビ端子の交換が加わると、さらに積み上がります。「アンテナ代だけ」の見積もりになっていないか確認してください。
出典:マスプロ電工 4K8K衛星放送 よくあるご質問、同 2分配器 2SPFDW、同 4分配器 4SPFDW、みずほアンテナ 公式 料金表(2026年8月時点)
よくある質問
Q. 工事は何時間くらい?
標準的な単体設置なら数時間以内が一般的です。配線の引き込みが複雑な場合は延びることがあります。
Q. 雨や雪で映りが悪くなるのは故障?
衛星放送は悪天候で一時的に受信レベルが下がる性質があります。天候回復後も映らない場合に故障や方角ズレを疑います。
Q. 寿命はどのくらい?
設置環境によりますが、アンテナ全般で10年前後が交換検討の目安とされます。屋根上よりベランダ・壁面のほうが点検しやすく、不調に気づきやすい傾向があります。
Q. 工事当日は在宅が必要?
必要です。設置場所の最終確認と、テレビでの受信確認・精算があるため、立ち会える日に予約しましょう。
Q. アンテナを立てればBSは全部無料で見られる?
民放系BSの無料放送は視聴できます。NHKのBS放送は受信契約の対象で、画面に案内メッセージが表示される場合は案内に沿って手続きします。CSの多くやWOWOWなどは別途有料契約が必要です。
工事保証とアフター対応も確認する
パラボラアンテナは方角ズレが起きうる機器なので、施工保証の年数と、受信不良時の再調整が保証範囲に入るかを契約前に確認しておくと安心です。強風後に映りが悪くなったときの再調整で出張費が別途かかるのか、無償なのかは業者によって異なります。保証書は施工日・施工内容と一緒に保管しておきましょう。
まとめ
BS/CSアンテナの工事料金は、公開している3社では地デジ工事への追加で15,000〜33,000円(4K8K対応や耐強風タイプは上振れします)。地デジとまとめた総額は35,000〜89,100円でした(2026年8月30日確認)。単体設置の料金は3社とも公開していないので、現地調査のうえで総額を出してもらってください。これから地デジアンテナも触るなら、配線とブースターを共有できる同時工事が合理的です。見積もりの際は、設置場所・ブースターの要否・4K8K対応の3点を必ず確認し、受信レベルの確認まで含めて依頼しましょう。
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