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FIG.230 — リフォーム全般

ブロック塀の高さは2.2メートルまで|施行令第62条の8の七つの基準と、1.2メートルで変わるもの

公開 2026-09-05|更新 2026-09-07|修繕ナビ編集部

ブロック塀の高さに制限があるのは知られていますが、制限は高さだけではありません。厚さ、鉄筋、控壁、基礎まで、七つの項目が政令に並んでいます。

そして高さ1.2メートルを境に、守るべき項目の数が変わります。この記事では建築基準法施行令の条文をそのまま読んで、その線を確かめます。撤去の費用や補助金はブロック塀撤去の記事にまとめています。

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七つの基準が、一つの条文に並んでいる

建築基準法施行令第62条の8「補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ一・二メートル以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。」

この柱書きに続いて、七つの号が並びます。

号条文の内容
一高さは、二・二メートル以下とすること
二壁の厚さは、十五センチメートル(高さ二メートル以下の塀にあつては、十センチメートル)以上とすること
三壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径九ミリメートル以上の鉄筋を配置すること
四壁内には、径九ミリメートル以上の鉄筋を縦横に八十センチメートル以下の間隔で配置すること
五長さ三・四メートル以下ごとに、径九ミリメートル以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの五分の一以上突出したものを設けること
六三号・四号の鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて定着すること
七基礎の丈は三十五センチメートル以上とし、根入れの深さは三十センチメートル以上とすること

高さの制限は一号だけです。残りの六つは、外から見ても分からないところの基準です。厚さ、鉄筋の太さと間隔、控壁、基礎の深さ。「高さは足りているから大丈夫」とは言えない構造になっています。

出典:e-Gov法令検索 建築基準法施行令 第62条の8(2026-09-05 確認)

1.2メートルで、守る項目が変わる

柱書きの括弧を読み直してください。

「次の各号(高さ一・二メートル以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない」

外れるのは第五号(控壁)と第七号(基礎の丈と根入れ)の二つです。

塀の高さ控壁(五号)基礎の丈・根入れ(七号)その他(一〜四・六号)
1.2メートル以下不要不要必要
1.2メートル超必要必要必要

1.2メートル以下でも、鉄筋(三号・四号)と厚さ(二号)とかぎ掛け(六号)は外れません。低ければ何でもいいわけではありません。

そして厚さには別の段差があります。二号の括弧書きは「高さ二メートル以下の塀にあつては、十センチメートル」としています。つまり厚さの境目は2メートル、控壁と基礎の境目は1.2メートルで、二つの高さが別々に効いています。

出典:e-Gov法令検索 建築基準法施行令 第62条の8柱書き・第二号(2026-09-05 確認)

鉄筋の入っていない塀は、別の条文で1.2メートルまで

第62条の8が扱っているのは補強コンクリートブロック造、つまり鉄筋で補強したものです。鉄筋のない積んだだけの塀は、別の条文になります。

同令第61条「組積造のへいは、次の各号に定めるところによらなければならない。一 高さは、一・二メートル以下とすること。二 各部分の壁の厚さは、その部分から壁頂までの垂直距離の十分の一以上とすること。三 長さ四メートル以下ごとに、壁面からその部分における壁の厚さの一・五倍以上突出した控壁(木造のものを除く。)を設けること。……四 基礎の根入れの深さは、二十センチメートル以上とすること。」

上限が1.2メートルと、補強コンクリートブロック造の2.2メートルより低く設定されています。控壁の間隔も4メートル以下ごとで、突出量は厚さの1.5倍以上という別の書き方です。

出典:e-Gov法令検索 建築基準法施行令 第61条(2026-09-05 確認)

基準に合わない塀はどうなるか

第62条の8にはただし書きがあります。

「ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。」

七つの号は、構造計算で安全が確かめられれば適用されないという形です。逆に言えば、構造計算をしていないなら七つの号に従うことになります。

古い塀の中には、この基準ができる前に建てられたものがあります。そうした塀が今の基準に合っていないこと自体は、直ちに違法という話ではありません。ただし、基準に合っていない塀が倒れて人に危害を与えた場合の責任は、建築基準法とは別に民法の話になります。

自分の塀を見るときの順番

鉄筋の径や間隔、基礎の丈は外から見ても分かりません。建てた年や図面が残っていないなら、専門家に見てもらう以外に確かめる方法がありません。点検を持ちかけてくる訪問には注意してください。点検商法の見分け方にまとめています。

施行令が定めている寸法をそのまま並べる

ブロック塀の基準は、建築基準法そのものではなく建築基準法施行令第62条の8に数字で書かれています。補強コンクリートブロック造の塀について、条文が挙げている項目は次のとおりです。

項目条文の定め
高さ高さは、二・二メートル以下とすること(2.2m以下)
壁の厚さ壁の厚さは、十五センチメートル以上(15cm以上)。高さ二メートル以下の塀にあつては、十センチメートル以上(10cm以上)
鉄筋の径径九ミリメートル以上の鉄筋(9mm以上)
鉄筋の間隔縦横に八十センチメートル以下の間隔で配置(80cm以下)
控壁長さ三・四メートル以下ごとに(3.4m以下ごとに)、壁面から高さの五分の一以上突出したもの

この条文には適用の除き書きもあり、「高さ一・二メートル以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く」とされています。高さ1.2m以下なら控壁の規定は外れるということです。逆に言えば、1.2mを超える塀には3.4mごとの控壁が要ります。自宅の塀を測るときは、まず高さが1.2mを超えるか、2.2mを超えていないかの2点を見てください。2.2mを超えていれば、それは施行令の上限を外れています。

よくある質問

Q. 2.2メートルまでなら何を積んでもいいのですか。
A. 第62条の8は七つの号を並べており、高さはその一号にすぎません。厚さ・鉄筋・控壁・基礎・かぎ掛けの六つが同時にかかります。

Q. 1.2メートル以下なら基準は無いのですか。
A. 外れるのは第五号(控壁)と第七号(基礎の丈と根入れ)の二つだけです。厚さも鉄筋もかぎ掛けも、高さに関係なく適用されます。

Q. 隣家との境界にある塀の高さは誰が決めますか。
A. 施行令が定めているのは構造の基準で、境界上の塀の所有関係や合意については別の話になります。この記事では扱っていません。

Q. 昔からある塀が基準に合っていません。
A. 建てた時点の基準との関係や既存不適格の扱いは、この記事の条文の範囲を超えます。市町村の建築指導課に相談してください。

この記事で確認できなかったこと

撤去や建て替えの費用は書いていません。公的機関が公表している価格を確認できていないためです。

ただし書きにある「国土交通大臣が定める基準」の中身、既存不適格の扱い、自治体ごとの補助制度、点検の頻度についても、この記事では条文の範囲を超えるので触れていません。自分の塀が基準を満たしているかは、外から見えない部分があるため、図面か専門家の確認が必要です。

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まとめ

ブロック塀の基準は、建築基準法施行令第62条の8に七つの号として書かれています。高さの2.2メートル以下はそのうちの一号でしかなく、厚さ・鉄筋の径と間隔・控壁・かぎ掛け・基礎が同時にかかります。

そして高さで二か所の段差があります。1.2メートル以下なら控壁(五号)と基礎(七号)が外れ、厚さは2メートルを境に15センチと10センチで切り替わります。境目の高さが二つあることが、この条文の読みにくいところです。

鉄筋のない組積造の塀は第61条で1.2メートル以下と、より低く抑えられています。外から確かめられるのは高さと厚さと控壁まで。残りは図面か専門家の確認が要ります。

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