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FIG.61 — リフォーム全般

点検商法の見分け方と断り方2026|そのまま使える断り文句と法的根拠・クーリングオフ

公開 2026-08-09|更新 2026-09-07|修繕ナビ編集部

「無料で点検します」から始まる訪問には、共通の型があります。結論を先に書きます。その場で家に上げない・その場で契約しない・断るときは「契約しません」と明確に言う。この3つで大半は防げます。とくに3つ目には法的な意味があり、あいまいに断ると効きません。この記事では、相談の実数、断るための法的根拠、そして契約してしまった後にできることを順に説明します。

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数字で見ると、手口は「工事を売る」から「点検で不安をあおる」に移っている

国民生活センターに寄せられた相談件数です。同じ訪問販売でも、動きが逆になっています。

年点検商法訪問販売によるリフォーム工事
2023年12,550件11,879件
2024年19,249件9,839件
2025年19,696件5,544件
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「リフォーム工事はいかがですか」と正面から売る形は減り、「点検します」と言って入り込み、不安をあおってから契約させる形が増えています。入り口が「売り込み」ではなく「親切」の顔をしているぶん、身構えにくいのが厄介なところです。

相談件数は、実際に困った人が窓口まで連絡した数です。契約したが相談していない人、断れたので相談しなかった人は入っていません。実際に訪問を受けた件数は、この何倍もあると考えるのが自然です。

断るための法的根拠は3つある

訪問販売は特定商取引法で細かくルールが決まっています。知っていると、相手の言動がルール違反かどうかをその場で判断できます。

1. 名乗らない業者は、その時点で違反している

特定商取引法の第3条は、勧誘に先立って次の3つを告げるよう事業者に義務づけています。

告げなければならないこと具体的には
事業者の氏名または名称会社名。担当者の名前だけでは足りません
契約の勧誘が目的であること「点検だけです」と言って勧誘するのは違反です
商品または役務の種類何を売りに来たのかを先に言う必要があります

住居を訪問する場合、これはインターホンで開口一番に告げるのが基本とされています。つまり「どちらの会社ですか」「何のご用件ですか」と聞いて、はっきり答えない相手は、その時点でルールを守っていません。ドアを開ける理由はありません。

2. 「契約しません」と言えば、再び勧誘することは禁止される

第3条の2は、契約を締結しない意思を表示した相手への勧誘を禁じています。これは同じ会社の別の営業員による勧誘にも及びます。

ただし、ここには効く断り方と効かない断り方があります。知らずに使い分けを間違えている人が多い部分です。

断り方再勧誘禁止が働くか理由
「いりません」「契約しません」「お断りします」働く契約しない意思を明示的に示したことになります
「今は忙しいので後日に」働かないその時点で断っただけと解され、日を改めての勧誘は禁止されません
「訪問販売お断り」の張り紙働かない意思表示の対象や内容が不明瞭とされ、この規定の対象になりません

穏便に済ませようとして「今は忙しくて」と言うのが、いちばん再訪を招く断り方だということになります。角が立つように感じても、「契約しません」と言い切るほうが、結果的に早く終わります。言った日付と相手の会社名を控えておくと、あとで役に立ちます。

3. 嘘を言う・不安にさせて困らせるのは禁止行為

第6条は、次のような行為を禁じています。

禁止されている行為現場での例
事実と違うことを告げる(不実告知)「法律で交換が義務づけられている」「このままでは今すぐ火事になる」
都合の悪い事実をわざと告げないクーリング・オフができることを伝えない、言わずに済ませる
威迫して困惑させる帰らない、声を荒らげる、長時間居座って契約するまで動かない

とくにクーリング・オフに関して事実と違うことを告げるのも不実告知にあたります。「うちは工事だからクーリング・オフはできない」「もう工事が始まったから無理だ」——こう言われた場合、その説明自体が違反である可能性があります。

契約してしまっても、まだ終わりではない

訪問販売で契約した場合、クーリング・オフができます。ここは細かい条件を正確に知っているかどうかで結果が変わるので、順に書きます。

論点正しい理解
期間訪問販売は8日間です
いつから数えるか契約した日ではなく、法律で定められた契約書面を受け取った日から起算します
書面をもらっていない場合起算が始まりません。つまり8日を過ぎていても解除できます
書面の記載に不備がある場合同じく、8日を過ぎてもクーリング・オフができる場合があります
妨害された場合「できない」と嘘を言われた等の妨害があった場合も、8日を過ぎて解除できる場合があります
通知の方法書面のほか、2022年6月1日から電磁的記録(電子メールなど)でも通知できます
いつ効力が生じるか相手に届いた時ではなく、通知を発した時に効力が生じます
すでに工事が始まっている場合元に戻すための費用(原状回復費用)は事業者が負担します
支払ったお金返金されます。違約金や損害賠償を請求されることはありません

実務でいちばん効くのは、起算日が「契約書面を受け取った日」であるという点です。訪問販売の現場では、契約を急がせるあまり書面を渡さない、あるいは記載が欠けたまま渡すことが起こります。その場合、8日はまだ1日も進んでいません。「もう10日経ってしまった」と諦める前に、手元の書面がそろっているかを確認してください。

通知は、発した記録が残る方法で出してください。郵送なら特定記録や簡易書留、はがきならコピーを取っておく、メールなら送信済みのものを保存しておく。「発した時に効力が生じる」ため、期限の日に出せば、届くのが翌日でも有効です。

「もう工事してしまった」でも、支払い義務は生じない

点検商法でいちばん多い引き止め方が、「もう作業に入ったから今さらキャンセルはできない」「材料を発注済みなので費用だけは払ってほしい」というものです。訪問販売のクーリング・オフを定めた特定商取引法第9条は、この主張を正面から否定しています。

同条第5項は、契約に基づいてすでに役務が提供されたときであっても、事業者は「当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない」と定めています。屋根に上がった、コーキングを打った、床下に潜った——作業が終わっていても、8日以内に通知を出せば代金は発生しません。同条第3項は損害賠償や違約金の請求も禁じ、第4項は引き渡された商品の引取り・返還にかかる費用を事業者の負担としています。撤回する側が負担する金銭は、条文上どこにもありません。

起算日は契約した日ではありません。第9条第1項ただし書きは、期間の起算点を「第五条第一項又は第二項の書面を受領した日」——つまり契約書面を受け取った日——としています(それより前に第四条第一項の申込書面を受け取っていれば、その日)。書面が渡されていなければ、8日は1日も進みません。

そして、8日を過ぎていても終わりとは限りません。同じただし書きは、事業者が第6条第1項に違反して撤回に関する事項について事実と異なることを告げ、それを信じたために期間内に撤回しなかったとき、または第6条第3項に違反して威迫し困惑させたために撤回しなかったときは、「申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日」が新たな期間になると定めています。「うちはクーリング・オフの対象外です」と言われて見送ってしまった場合が、まさにこれに当たります。

通知の方法は第9条第1項本文で「書面又は電磁的記録により」と定められ、第2項で「当該申込みの撤回等に係る書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる」とされています。到達した時ではなく、発した時です。

出典:e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律 第9条・第6条(2026-09-05 確認)

ジャンル別の手口

入り口の言い回しと、確かめ方はジャンルごとに違います。心当たりのあるものをご覧ください。

ジャンル典型的な入り口詳しく
給湯器「無料で点検します」「もう部品がなくて直せません」給湯器の点検商法
分電盤・ブレーカー「すぐ交換しないと漏電して火事になる」「電力会社の委託です」分電盤の点検商法
外壁塗装「近所で工事しているので足場代が浮きます」「モニター価格で」外壁塗装の訪問販売
屋根「近くで工事中にお宅の屋根が浮いて見えた」屋根修理の詐欺・点検商法
シロアリ「無料で床下を点検します」シロアリ点検・無料調査
水道「今すぐ直さないと大変なことになる」(高額請求)水道修理のぼったくり

正しい点検と、点検商法の違い

本物の点検が存在するジャンルもあります。だからこそ「点検」という言葉が入り口に使われます。見分ける手がかりは、誰が・どうやって連絡してきたかです。

正当な点検点検商法
連絡の仕方事前に書面で日時を案内することが多い突然の訪問、または突然の電話
名乗り会社名と目的を先に告げるあいまいにする、他社の名前をほのめかす
その場での契約点検の作業員がその場で契約を持ちかけることはないその場で見積もりを出し、即決を迫る
判断の材料こちらが確認する時間を認める「今日だけ」「今すぐ」と時間を奪う

迷ったら、その場では決めずに、契約しているガス会社・電力会社・メーカーの窓口に自分から電話して確かめてください。相手が渡した連絡先ではなく、検針票や本体に書かれた番号、自分で調べた公式の番号にかけるのが要点です。

迷ったら188に電話する

契約してしまった、断ったのに帰ってくれない、これが詐欺なのか判断がつかない。どれも消費者ホットライン「188(いやや)」にかければ、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。局番なしの3桁で、相談は無料です。

「まだ契約していないから相談するほどでは」と考えなくて構いません。契約前の段階で相談したほうが、選べる手が多く残ります。相手がその場を離れない・帰ってくれないときは、ためらわずに110番してください。不退去は犯罪にあたる場合があります。

出典:日本ガス石油機器工業会/消費者庁(2026-09-07 時点でリンクの到達を確認)

出典:国民生活センター「クーリング・オフ(テーマ別特集)」/国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(各種相談の件数や傾向)」。(2026-09-07 確認。当サイトのサーバからの自動アクセスは先方に遮断されるため、検索結果に現行ページとして題名が一致する形で掲載されていることをもって確認としています。リンク先が移動していた場合はお知らせください。)

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まとめ

場面することは1つ
インターホンが鳴った会社名と用件を聞く。答えないなら開けない
点検を勧められたその場で承諾しない。契約先の会社に自分で確認する
断る「契約しません」と明確に言う。あいまいな先延ばしは再訪を招く
契約してしまった契約書面を受け取った日を確認する。無ければ8日は始まっていない
判断がつかない188に電話する。契約前でも相談できる

出典

この記事の数字と法律の内容は、次の公的な資料に基づいています。制度は変わることがあるため、判断が必要な場面では最新の情報をご確認ください。

内容出典
点検商法・訪問販売リフォームの相談件数国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」
給湯器の点検商法の相談件数国民生活センター「給湯器の点検にご注意ください」(2024年2月21日)
特定商取引法(訪問販売のルール)消費者庁「特定商取引法ガイド/訪問販売」
クーリング・オフの起算日と方法国民生活センター「クーリング・オフ」
長期使用製品安全点検制度(2021年8月改正)日本ガス石油機器工業会「長期使用製品安全点検制度」
クーリング・オフの条文(起算点・発信主義・費用負担)e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」第9条

点検商法の断り方|そのまま使える例文

迷ったら、次の言い回しをそのまま使ってください。ポイントは理由を説明しないことと「契約しません」と明言することです。

すでに契約してしまった場合も、訪問販売は原則書面受領から8日以内ならクーリングオフできます。困ったら消費者ホットライン188へ。

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※ 記載の費用はいずれも目安です。建物の状態・地域・時期により変動するため、正確な金額は必ず複数社の見積もりで確認してください。