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FIG.10 — 給湯器

エコキュートの「悪徳業者リスト」は存在しない|電力会社3社の公表と、玄関先で使える判定表

公開 2026-08-27|修繕ナビ編集部

「エコキュート 悪徳業者リスト」で探しても、そういう名簿は公的にも民間にも存在しません。行政が事業者名を公表するのは行政処分を打ったときだけで、一覧の形にはなっていません。

ただし、代わりになるものはあります。結論を先に書きます。大手電力会社は、エコキュートを売りに訪問してきません。各社が自社サイトでそう明言しています。名簿を探すより、この1点のほうがその場で使えます。

電力会社3社が「やっていない」と公表していること

この手口の入り口は、ほぼ電力会社の名前です。だから各社が公式に否定を出しています。2026年8月27日に確認した内容です。

会社公式サイトに書かれている内容
関西電力関西電力・関係会社社員の名をかたった機器販売、個人情報を聞き出そうとする不審な電話や訪問について注意を呼びかけている
中部電力「中部電力関係者から機械音声による電話案内をすることはありません」「中部電力関係者は、お客さまへの断りなくセールスはいたしません」「ご依頼のない点検・修理やメーターの取替えで代金をご請求することはありません」
九州電力当社がお客さまへ電話や訪問をして、機器の販売や工事代金の請求を直接おこなうことはありません」「当社は現地で工事代金を請求することはありません」「当社と契約いただいているお客さまに『検針票を見せて欲しい』と申し出ることはありません」「電力会社の切替に伴う、計器取替工事には費用はかかりません」
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3社に共通しているのは身分証明書です。いずれも「社員および関係会社社員は身分証明書を携行しているので、提示を求めて確認してください」と書いています。逆に言えば、提示を渋る相手はその時点で外れです。

玄関先で使える判定表

上の3社の記述を、そのまま判定に落とすとこうなります。

起きたこと判断
機械音声の自動アンケートで電気の使用量を聞かれた電力会社はやらないと明記。切ってよい
「検針票を見せてください」と言われた契約中の客に頼むことはないと明記。見せない
頼んでいないのに点検に来て、代金を請求された依頼のない点検で請求することはないと明記。払わない
身分証明書の提示を求めたら渋られた正規なら携行している。その場で終了
「電気代が安くなる」と言われ、その日のうちに契約を求められた断りなくセールスはしないと明記。いったん帰す

迷ったら、その場で決めずに「電力会社に確認します」と言って一度切ってください。本物なら困りません。

相談は実際に増えている——給湯器の点検商法

国民生活センターに寄せられた、給湯器の点検商法に関する相談件数です。

年度相談件数
2018年度206件
2019年度241件
2020年度245件
2021年度335件
2022年度561件
2023年度1,099件(2023年12月31日まで)

2022年度から2023年度で、集計途中の時点ですでに約2倍。5年で5倍以上になっています。

リフォーム工事全体でも同じ傾向が出ています。点検商法型と訪問販売型を分けた件数です。

年度点検商法型訪問販売型
2023年度11,879件12,550件
2024年度9,839件19,249件
2025年度5,544件19,696件
2026年度602件(5月31日まで)2,193件(5月31日まで)

読みどころは点検商法型が減って、訪問販売型が増えていることです。「点検します」という入り方が警戒されるようになった分、単なる訪問営業の形に移っている。つまり「点検」という言葉が出てこなくても油断できないということです。

法律のほうが、名簿よりよほど使える

名簿がなくても、訪問販売には特定商取引法のルールがかかります。相手が守っていなければ、その時点で違法です。

ルール内容
氏名等の明示義務勧誘に先立って事業者の氏名(名称)・勧誘目的であること・商品の種類を告げなければならない
再勧誘の禁止契約しない意思を示したら、その場で勧誘を続けることも、後日あらためて勧誘することも禁止
書面交付義務申込み時・契約時に、価格や支払時期、クーリング・オフに関する事項など12項目以上を記載した書面を渡さなければならない
禁止行為事実と異なることを告げる/故意に事実を告げない/威迫して困惑させる/勧誘目的を隠して公衆の出入りしない場所へ誘い込む
クーリング・オフ法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、理由なく解除できる

「社名を名乗らずに『無料点検です』とだけ言って上がり込む」は、氏名等の明示義務にも、勧誘目的を告げる義務にも触れます。断ったのに粘られた時点で再勧誘の禁止に触れます。その場で「特商法の再勧誘の禁止に当たりますよね」と言えれば、たいてい引きます。

契約してしまったとき

まだ終わっていません。順に進めてください。

順番やること
1契約書面を受け取った日を確認する。そこから8日以内ならクーリング・オフができる
2書面が渡されていない、または記載が足りない場合、8日の起算が始まっていない。日数が過ぎていても諦めない
3解除は書面で通知する。出した日付と控えを必ず残す
4工事が始まっていても、原状回復の費用は消費者側の負担にならない
5判断に迷ったら188に電話する

迷ったら188に電話する

消費者ホットライン188(局番なし)は、最寄りの消費生活センターにつないでくれる全国共通の番号です。九州電力も公式ページで188を案内しています。契約前でも相談できます。「これは断っていいのか」の段階で使ってかまいません。

本当に交換が必要なときは、自分から呼ぶ

エコキュートの寿命は10〜15年が目安です。実際に不調が出ているなら交換の検討自体は正しい。ただし向こうから来た相手に頼む理由はどこにもありません。自分で複数社に見積もりを取れば、同じ工事がいくらなのか横に並びます。金額の妥当性は、比べて初めて分かります。

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まとめ

「悪徳業者リスト」は存在しませんが、その代わりになるものは揃っています。電力会社は機器を売りに来ない。身分証明書を出せない相手は外れ。断ったのに粘るのは違法。書面を受け取って8日以内なら理由なく解除できる。この4つを覚えておけば、名簿がなくても玄関先で判断できます。

出典

この記事の数字と制度の内容は、次の公的な資料および各社の公式ページに基づいています。制度や記載は変わることがあるため、判断が必要な場面では最新の情報をご確認ください。

内容出典
給湯器の点検商法の相談件数(2018〜2023年度)国民生活センター「給湯器の点検にご注意ください」(2026年8月27日確認)
点検商法型・訪問販売型リフォーム工事の相談件数(2023〜2026年度)国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」(2026年8月27日確認)
特定商取引法の訪問販売のルール(氏名等の明示義務・再勧誘の禁止・書面交付義務・禁止行為・クーリング・オフ8日)消費者庁「特定商取引法ガイド/訪問販売」(2026年8月27日確認)
関西電力の注意喚起関西電力「エコキュート等電気給湯機の訪問販売に関する相談が増加しています」(2026年8月27日確認)
中部電力の注意喚起中部電力「中部電力関係者を装った不審電話や訪問などにご注意ください」(2026年8月27日確認)
九州電力が機器販売・工事代金請求を直接行わないこと/身分証明書の携行九州電力「当社関係者を装った電話・訪問活動にご注意ください」(2026年8月27日確認)
九州電力の注意喚起と188の案内九州電力「当社関係者を装った勧誘や詐欺等にご注意ください」(2026年8月27日確認)
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※ 記載の費用はいずれも目安です。建物の状態・地域・時期により変動するため、正確な金額は必ず複数社の見積もりで確認してください。