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リフォームに法律の「10年保証」はない|品確法の10年は新築だけ、対象も二か所

公開 2026-09-05|更新 2026-09-07|修繕ナビ編集部

リフォームの見積もりで「10年保証します」と言われることがあります。安心材料に見える言葉ですが、法律が定めている10年と、業者が付ける10年は、別のものです。

法律の10年がかかるのは新築住宅だけで、しかも建物のうち二か所に限られます。リフォームには、その条文はかかりません。この記事では住宅品質確保法と住宅瑕疵担保履行法の条文を読んで、どこまでが法律の話でどこからが契約の話かを分けます。

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法律の10年は「新築」に付いている

根拠になるのは、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)の第94条です。

品確法第94条第1項「住宅を新築する建設工事の請負契約……においては、請負人は、注文者に引き渡した時から十年間、住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの……の瑕疵……について、民法第四百十五条、第五百四十一条及び第五百四十二条並びに同法第五百五十九条において準用する同法第五百六十二条及び第五百六十三条に規定する担保の責任を負う。」

条文の主語は「住宅を新築する建設工事の請負契約」です。同じ法律の第1条も、目的として「新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕疵担保責任について特別の定めをすること」と書いています。

つまりこの10年は、新築のための規定です。リフォーム工事の請負契約は、ここに入りません。

出典:e-Gov法令検索 住宅の品質確保の促進等に関する法律 第1条・第94条第1項(2026-09-05 確認)

新築でも、対象は建物ぜんぶではない

もう一つ読み落とされるのが、対象の範囲です。第94条第1項が挙げているのは、

「構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの」

この二つだけです。しかも括弧書きで「構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く」と絞られています。

だから新築の10年保証があっても、設備の故障や内装の不具合が自動的にその10年に入るわけではありません。「新築だから10年ぜんぶ大丈夫」という理解は、条文と合っていません。

出典:同法 第94条第1項(2026-09-05 確認)

「新築住宅」という言葉にも、期限が入っている

買う側にとって効いてくるのが、この定義です。

品確法第2条第2項「『新築住宅』とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)をいう。」

括弧の中を読んでください。誰も住んでいなくても、工事の完了から一年を過ぎたものは、この法律の「新築住宅」から外れます。

広告の「新築」と、法律の「新築住宅」は、同じ言葉で別の範囲を指しています。売れ残っていた家を買うときに、ここが効いてきます。

出典:同法 第2条第2項(2026-09-05 確認)

新築なら、契約で短くできない

第94条にはもう一項あります。

同条第2項「前項の規定に反する特約で注文者に不利なものは、無効とする。」

新築の10年は、契約書で「保証は5年とする」と書いても効きません。法律のほうが勝ちます。

そしてここが、リフォームとの違いをいちばんはっきりさせる部分です。リフォームには、この「不利な特約は無効」という縛りがかかりません。保証の年数も範囲も、契約書に書かれたとおりになります。

出典:同法 第94条第2項(2026-09-05 確認)

「業者が倒産したら」の備えも、新築の制度

保証には、もう一段の話があります。保証すると言っていた会社が無くなったらどうなるか。ここを扱うのが住宅瑕疵担保履行法です。

同法第1条は、建設業者による住宅建設瑕疵担保保証金の供託、宅地建物取引業者による住宅販売瑕疵担保保証金の供託、住宅瑕疵担保責任保険法人の指定などについて定めるとしたうえで、品確法と相まって「住宅を新築する」場面を対象にしていることを示しています。

つまり供託や保険で裏打ちされているのも、新築の側です。リフォームの「10年保証」がその会社の約束にすぎないのか、第三者の保険で裏打ちされているのかは、契約書を見なければ分かりません。

出典:e-Gov法令検索 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 第1条(2026-09-05 確認)

契約前に確認する五つ

見積もりの取り方そのものは失敗しない見積もりの取り方にまとめています。

条文が対象にしているのは「新築」だけである

10年という数字の出どころを、条文で確認します。品確法第94条第1項は、「住宅を新築する建設工事の請負契約」において、「請負人は、注文者に引き渡した時から十年間」、「構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分」の瑕疵について担保の責任を負うと定めています。

売買の場合は第95条で、「新築住宅の売買契約」において売主が「買主に引き渡した時」から十年間の責任を負うとされています。どちらも強行規定で、「前項の規定に反する特約で注文者に不利なものは、無効とする」、「前項の規定に反する特約で買主に不利なものは、無効とする」と書かれています。

逆に言えば、条文に出てくるのは「新築」だけです。既存住宅のリフォーム工事は、この条文の対象に入っていません。だからリフォームの保証は、法律ではなく請負契約と業者の自主保証で決まります。見積もりの段階で確認すべきは、保証年数・対象範囲・免責事項・保証書の発行者の四つです。工事後に会社が無くなった場合に備えるなら、リフォーム瑕疵保険に加入できる業者かどうかも判断材料になります。

よくある質問

Q. リフォームでも10年保証と言われました。嘘ですか。
A. 嘘とは限りません。業者が任意で付ける保証は自由です。ただしそれは品確法第94条の10年ではなく契約上の約束なので、範囲も年数も免責も契約書しだいです。法律の縛りがないぶん、書面で確認する必要が上がります。

Q. 新築を買って5年です。設備が壊れました。10年保証の対象ですか。
A. 品確法第94条第1項が挙げているのは構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分です。設備がここに入るとは条文からは読めません。売主や施工会社の独自保証がある場合はそちらの範囲になります。

Q. 完成して2年たった未入居の家です。新築ですか。
A. 品確法第2条第2項は、建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを「新築住宅」から除いています。未入居であっても、この法律の新築住宅ではありません。

Q. 契約書に「保証は3年」と書いてあります。
A. 新築の請負なら、第94条第2項により注文者に不利な特約は無効です。リフォームなら、その3年が契約の内容になります。どちらの工事なのかで結論が変わります。

この記事で確認できなかったこと

保証や保険の金額は書いていません。公的機関が公表している価格を確認できなかったためです。

「構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるもの」の具体的な部位も、政令まで当たれていないので列挙していません。リフォーム向けの瑕疵保険の中身や加入条件も、制度の運用側の資料を確認できていないため触れていません。自分の契約がどちらなのかは、契約書の表題と条項で確認してください。

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まとめ

法律が定める10年は新築のための規定です。品確法第94条第1項は「住宅を新築する建設工事の請負契約」を主語にしていて、対象も構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の二つに限られています。

「新築住宅」という言葉にも期限があります。第2条第2項は、未入居でも工事完了から一年を経過したものを除いています。

そして第94条第2項の「注文者に不利な特約は無効」も、リフォームにはかかりません。だからリフォームの保証は、法律ではなく契約書の中にあります。誰が・どこを・何年・何を除いて保証するのか。この四つを書面で押さえてください。

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