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FIG.226 — エアコン

エアコンの取り付けに資格は要るのか|本体の設置と電気工事は別、境目は電気工事士法第2条第3項

公開 2026-09-05|更新 2026-09-05|修繕ナビ編集部

「エアコンの取り付けに資格は要りますか」。よく聞かれますが、答えは作業のどこを指しているかで変わります。

先に結論です。室内機を壁に掛ける、配管を通す、真空引きをする——この部分に免状を求める条文はありません。ですが、コンセントを増やす・専用回路を引く・分電盤に触れる、この瞬間から電気工事士法がかかります。境目は第2条第3項の「電気工事」の定義にあります。取り付けの費用はエアコンの取り付け・交換費用の相場にまとめています。

電気工事が要る取り付けは、資格を持つ業者に頼む

費用は依頼先で大きく変わります。相場の確認は、無料でできる複数社見積もりの比較が近道です。

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法律が縛っているのは「電気工事」であって「取り付け」ではない

電気工事士法は、資格が要る範囲を「電気工事」という言葉で切っています。

電気工事士法第2条第3項「この法律において『電気工事』とは、一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く。」

ここに「エアコン」という言葉は出てきません。問われているのは、電気工作物を設置または変更する工事に当たるかどうかです。

だから、機器そのものを壁に固定する作業や、冷媒配管をつなぐ作業は、この定義の外側に置かれます。いっぽうで、屋内の配線を分けて新しいコンセントを作る作業は、電気工作物を変更する工事そのものです。

出典:e-Gov法令検索 電気工事士法 第2条第3項(2026-09-05 確認)

電気工事に当たると、第3条第2項がかかる

同法第3条第2項「第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下『第二種電気工事士』という。)でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。」

一般の住宅の屋内配線は「一般用電気工作物等」です。文末は「従事してはならない」。努力義務ではありません。

そして罰則があります。

同法第14条「第三条第一項、第二項又は第三項の規定に違反した者は、三月以下の拘禁刑又は三万円以下の罰金に処する。」

金額そのものは大きくありませんが、刑罰として書かれているという点が、契約上の取り決めとは違うところです。

出典:e-Gov法令検索 電気工事士法 第3条第2項・第14条(2026-09-05 確認)

どこからが電気工事になるか

条文から言えることを、作業の並びに当てはめます。

作業電気工事士法の位置づけ
室内機を壁に固定する・室外機を据える電気工作物を設置・変更する工事とは言いにくい
冷媒配管をつなぐ・真空引きをする同上(電気工作物の工事ではない)
既にあるコンセントにプラグを差す工事ではない
コンセントを増設する屋内配線を変更する工事
分電盤から専用回路を引く同上
ブレーカーを増やす・容量を変える同上
コンセントの形状を200Vに変更する同上

表の下半分は、すべて屋内配線に手を入れる作業です。エアコン自体の工事ではなく、電気の側の工事なので第3条第2項に入ります。

200Vへの変更はとくに見落とされます。「本体を替えるだけ」のつもりでも、コンセントの電圧を変えるなら電気の工事です。

出典:e-Gov法令検索 電気工事士法 第2条第3項・第3条第2項(2026-09-05 確認)

外すときは、別の法律が出てくる

取り外して捨てる場面では、電気ではなくリサイクルの制度が前に出ます。

特定家庭用機器再商品化法施行令第1条第一号(要旨)ユニット形エアコンディショナー(ウインド形エアコンディショナー又は室内ユニットが壁掛け形若しくは床置き形である セパレート形エアコンディショナーに限る。)

括弧の中が効いています。対象は「ウインド形」と「室内ユニットが壁掛け形または床置き形のセパレート形」に限られています。家庭でよく使う壁掛けエアコンはここに入ります。天井に埋め込むタイプが別扱いになる理由は天井埋め込みエアコンの記事で条文を追っています。

出典:e-Gov法令検索 特定家庭用機器再商品化法施行令 第1条第一号(2026-09-05 確認)

見積もりのときに聞くこと

「資格は要りますか」と聞くより、「今回の工事にコンセントか分電盤の作業は入りますか」と聞くほうが、条文の切り方に合っています。

よくある質問

Q. 自分で取り付けたら違法ですか。
A. 電気工事士法が禁じているのは第3条第2項の「電気工事の作業」に無資格で従事することです。既存のコンセントを使い、屋内配線に手を入れないなら、この条文の対象ではありません。ただし配管や真空引きの品質は別の問題で、法律とは別に機器の保証条件を確認してください。

Q. 電気工事士の資格を持っていれば全部できますか。
A. 第3条第2項が扱うのは電気工事の部分です。冷媒や据付の技能まで免状が保証しているわけではありません。条文は電気の保安のための区分です。

Q. 「軽微な工事」なら要らないと聞きました。
A. 第2条第3項が「政令で定める軽微な工事を除く」としています。何が軽微に当たるかは政令で決まっており、この記事では政令まで確認できていないので具体的な線引きは書いていません。

Q. 賃貸で大家が付けたエアコンです。
A. 工事の資格の話と、費用を誰が負担するかの話は別です。負担の考え方は原状回復の記事で民法と国土交通省のガイドラインを追っています。

この記事で確認できなかったこと

工事の料金は書いていません。公的機関が公表している価格を確認できていないためです。

電気工事士法第2条第3項が除いている「政令で定める軽微な工事」の具体的な内容、第3条第2項の括弧書きにある「経済産業省令で定める」除外作業の中身も、政令・省令まで当たれていないので列挙していません。真空引きの手順や冷媒量の基準も、この法律の守備範囲ではないため触れていません。実際の工事に何が含まれるかは、見積書の項目で確認してください。

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まとめ

電気工事士法が縛っているのは「電気工事」で、第2条第3項はそれを「一般用電気工作物等又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事」と定義しています。エアコン本体を掛けて配管をつなぐ作業は、この定義に当てはめにくい側です。

逆に、コンセントの増設・専用回路の敷設・分電盤の作業・200Vへの変更は屋内配線を変更する工事なので、第3条第2項の「従事してはならない」がそのままかかります。

だから見積もりで確かめるべきは資格の有無そのものではなく、今回の工事に電気側の作業が入るかどうかです。入るなら、その部分は免状を持つ人の作業になります。

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※ 記載の費用はいずれも目安です。建物の状態・地域・時期により変動するため、正確な金額は必ず複数社の見積もりで確認してください。