長府ボイラー・石油給湯器のエラーコード|凍結時に電源を抜くと悪化する、リセットは8回で止まる
長府の石油給湯器・ボイラーのリモコンに3桁の数字が出て止まった——その場で確認すべきことは、実は数字ごとの意味より先にあります。長府は取扱説明書に、エラーコードを表示したときの処置の流れを図で載せています。そこにはやってはいけないことも書かれていて、知らずにやると被害が広がります。ここは取扱説明書(石油給湯器・油だき温水ボイラ)の記載に沿って整理します。
費用は依頼先で大きく変わります。相場の確認は、無料でできる複数社見積もりの比較が近道です。
無料でまとめて見積もり ▶最初に:凍結のおそれがあるときは電源プラグを抜かない
長府の処置手順は、リモコンにエラーコードが出ていない場合に「1.給湯栓を閉める → 2.リモコンの運転スイッチを『切』にする → 3.電源プラグを抜く → 4.お買い求めの販売店に連絡する」と進みます。ただしその3のところに、はっきり例外が書かれています。
「凍結のおそれがあるときは、電源プラグを抜かないでください。(凍結による故障拡大を防ぐため)」
石油給湯器には凍結予防装置が入っていて、それは電源で動きます。冬に「止まったからとりあえずコンセントを抜こう」とすると、凍結で被害が広がるということです。止まった機器を前にして最初にやりがちな操作が、季節によっては逆効果になります。
エラーコードが表示されている場合の流れは別で、一覧にあるコードなら確認・処置を行い、リセット(運転スイッチを「切」にしてから再度「入」)、それで消えれば通常通り使用でき、再度同じコードが出るなら販売店へ、となっています。なお運転を停止しないエラーコードもあると注記されています。
灯油切れは「110」「120」。ただしリセットには回数の上限がある
長府の取扱説明書には、燃料切れをしたときはリモコンに「110」または「120」のエラーコードを表示すると書かれています。110が着火できない、120が燃焼中に火が消えた状態です。
給油した後の手順に、重要な制限があります。「燃料切れをしていた場合は、給油後リセットを2、3回行ってください。約8回リセットを繰り返すと、お客様によるリセットができなくなりますので注意してください。」
つまり直らないからと何度もリセットを押し続けると、8回あたりで自分では復帰できなくなります。灯油を入れて送油経路の空気が抜けるまでは、振動音が出たり110・120を表示して停止したりすることがあるので、2〜3回で様子を見る、という設計です。
あわせて油タンクの送油バルブが十分開いているかも確認項目に挙がっています。灯油はあるのに着火しない場合、バルブが閉まっていることがあります。
灯油が減ってきたら「830」
故障ではなく残量のお知らせです。灯油の残量が少なくなると、リモコンにエラーコード「830」を表示してお知らせします。油面計の1段目が点滅した段階でも830が出ると書かれています。830が出たら給油してください、という案内です。(残量表示に対応するのは別売の油面計を取り付けている場合です。)
「661」は凍結、「100」は地震
凍結した状態でリモコンの運転スイッチを「入」にすると、エラーコード「661」を表示することがあります。冬の朝にこの数字が出たら、故障ではなく凍っている可能性があるということです。ここで上の「電源プラグを抜かない」が効いてきます。
「100」は地震や強い振動・衝撃があったときの表示で、処置は「機器および周囲に異常がないことを確認してください」となっています。揺れの後に止まっていたら、まず機器と周囲を見るのが先で、リセットはその後です。
「888」は故障ではない。3社が同じ意味で使っている
長府の取扱説明書にはこう書かれています。「10年相当ご使用されたため、『点検時期をお知らせする機能』が働いてお知らせをしています。(故障ではありません。)使用はできますが、安全のためお早めに点検(有料)を受けてください。」コードは888で、警告表示の扱いです。
これは長府だけの話ではありません。同じ「10年前後の点検時期のお知らせ」を、ノーリツはガス給湯器の「88」「888」、リンナイは食器洗い乾燥機の「88」で出しています。メーカーが違っても、3桁の8が並んだら故障コードではなく年数のお知らせだと考えて、まず取扱説明書を確認してください。ノーリツの場合は点検期間を製造より9〜11年としています。
詳しくは888・88は故障ではない(給湯器)にまとめています。また石油給湯機と石油ふろがまは、消費生活用製品安全法で特定保守製品に指定されている2品目です(ガス給湯器は入っていません)。制度の中身は給湯器の888を無視するとどうなるかにあります。
出典:長府製作所 取扱説明書(石油給湯器・油だき温水ボイラ/PDF)(2026-09-07 確認)。本記事の記載は同PDFの「故障かな?と思ったら」「エラーコード一覧」の該当箇所によります。
止まる前に:長府が「してはいけない」と書いていること
エラーが出てからでは遅い項目が、同じ取扱説明書に並んでいます。どれも故障ではなく事故に直結する話なので、石油給湯器を使っているなら一度確認してください。
- 換気扇の同時使用禁止。屋内設置の強制排気タイプ・強制通気タイプでは、「機器を設置した室内に換気扇が設置されている場合、燃焼中に換気扇を使用すると、排ガスが逆流して火災や事故の原因になります」。換気口が設置されていても、運転スイッチが「入」のときは換気扇を使わない、と書かれています。
- 給排気筒トップの閉そく。積雪の多い地方では、給排気筒トップの周りが雪や氷柱(つらら)でふさがれたままで使用しない。「閉そくしていると運転中に排ガスが室内に漏れて危険です」とあり、危険の種類として酸欠事故・火災・過熱が挙げられています。ふさがれていたら除雪してから。
- ゴム製送油管は2〜3年に一度交換。「時間と共に劣化しますので、ひび割れや亀裂がなくても2〜3年に一度は新しいものに交換することをおすすめします。交換しないと油漏れにつながり、火災の原因になります」。見た目に問題がなくても年数で替える部品です。
- ガソリン厳禁。揮発性の高い油は絶対に使用しない、火災の原因、と明記されています。
凍結予防の手順は具体的に書いてある
「凍結のおそれがあるときは電源プラグを抜かない」の先があります。長府は浴そうの水を使って機器内の給水経路とふろ配管の凍結を予防する手順を載せています。
- 給湯栓を閉める
- リモコンの運転スイッチを「入」にする
- リモコンの給湯温度を32℃に設定する
- 浴そうの水位が循環口上部から約5cm以上あることを確認する
特に冷え込みが厳しいと予想される日は、給湯温度を60℃に設定し、リモコンの燃焼表示が消灯するまで燃焼させたのち、32℃に設定してくださいという指示も付いています。
注意も2つ書かれています。この方法では配管やバルブの凍結予防はできないので別途十分に保温すること。そしてバーナーを運転する前に凍結していないことを確認すること——「凍結したまま運転すると機器が破損するおそれがあります」。さらに凍結により機器が破損した場合の修理は、保証期間内でも有料と明記されています。冬の対策を省くと、保証が効かない出費になります。
地震や火災のときの手順(順番が決まっている)
緊急時の処置も番号付きで示されています。
- すぐに使用を中止し、リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 送油バルブ・給水元栓を閉める
- 電源プラグを抜く(凍結のおそれがあるときは、電源プラグを抜かないでください。凍結による故障拡大を防ぐため)
ここでも同じ但し書きが繰り返されています。地震の直後であっても、凍結のおそれがある季節なら電源は残すという判断です。なお停電した場合は運転が停止し、停電復帰後はリモコンの運転スイッチを「入」にして使用、現在時刻を表示していない場合は時刻の設定を行う、と案内されています。
法定点検は「製造後9年から11年」
石油給湯機は特定保守製品なので、点検の枠組みが法律で決まっています。長府は取扱説明書にこう書いています。「この機器の設計標準使用期間10年の前後それぞれ1年間(製造後9年から11年)を法定点検時期と設定しています。」
そして「ご登録いただいた所有者情報に基づき、法定点検期間の直前に弊社より点検通知を送付いたしますので、添付のはがき(所有者票)に必要事項をご記入の上、必ず返送してください」と続きます。所有者票を出していないと、点検時期の通知が届きません。中古住宅を買った場合や、前の所有者が登録していない場合は通知が来ないということです。
先ほどの888は、この仕組みが機器側で働いたお知らせにあたります。通知が来ていなくても、888が出たら年数に達しているということです。
条番号について一点だけ補足します。取扱説明書はこの箇所に「製品の所有者などの責務:消安法第32条の14」と添えていますが、e-Gov法令検索で条文を引くと、第32条の14は「点検その他の保守に関する事項の通知」で、メーカー(特定製造事業者等)が名簿記載者へ点検通知を発しなければならないというメーカー側の義務を定めた条文です。「特定保守製品の所有者等の責務」という見出しが付いているのは第32条の16で、そこには所有者は「点検期間に点検を行う等その保守に努めるものとする」(努力義務)、賃貸を業として行う者は「努めなければならない」と書き分けられています。所有者の立場で条文を確認したい場合は第32条の16を見てください。
出典:e-Gov法令検索 消費生活用製品安全法 第32条の14(点検その他の保守に関する事項の通知)・第32条の16(特定保守製品の所有者等の責務)/同施行令 別表第三(2026-09-07 確認)
自分の機種の一覧はどこにあるか
長府はエラーコードの一覧を、機種ごとの取扱説明書に載せています。web上の1ページにまとめた全機種共通の表は公開していません。公式サイトの「サポート情報」から説明書を探し、型名で引く形になります。本体の銘板で型名を確認してから開いてください。
この記事で挙げた110・120・830・661・100・888は、石油給湯器・油だき温水ボイラの取扱説明書で確認できたものです。同じ番号でも機種系列が違えば意味が変わる可能性があるため、最終的には手元の取扱説明書で確かめてください。この記事では、原文で確認できなかったコードの意味は書いていません。
出典:長府製作所「サポート情報」(2026-09-07 確認)
よくある質問
Q. リセットは何回まで押していいですか。
A. 燃料切れの場合について、長府は給油後リセットを2、3回と案内し、約8回繰り返すと利用者によるリセットができなくなると注意しています。
Q. 止まったので電源を抜いておいていいですか。
A. 凍結のおそれがあるときは抜かないでください。凍結予防のための装置が働かなくなり、凍結による故障拡大につながると明記されています。
Q. 888が出ましたが使えています。修理が必要ですか。
A. 長府は「故障ではありません。使用はできますが、安全のためお早めに点検(有料)を受けてください」としています。10年相当使用したことのお知らせです。
まとめ
- 凍結のおそれがあるときは電源プラグを抜かない。凍結による故障拡大を防ぐため。
- 110・120は燃料切れの可能性。給油後のリセットは2、3回まで。約8回で利用者によるリセットができなくなる。
- 830は灯油の残量が少ないお知らせ。661は凍結、100は地震や強い振動。
- 888は故障ではなく10年相当の点検時期のお知らせ。ノーリツ・リンナイも同じ意味で8を使っている。
- 全機種共通の一覧は公開されていない。型名を控えて取扱説明書を引く。
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