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FIG.223 — 給湯器

給湯器・風呂釜は自分で替えられる?|電気・LPガス・都市ガスで条文の形が三つに分かれる

公開 2026-09-05|更新 2026-09-05|修繕ナビ編集部

給湯器や風呂釜が古くなったとき、ネットで本体だけ買って自分で付け替えられないか、と考える人がいます。

電気とガスで、法律の作りが違います。しかもガスの中でもLPガスと都市ガスで形が分かれます。この記事では電気工事士法・液化石油ガス法・特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律の三つを並べて、条文がそれぞれ誰に何を禁じているのかを確認します。

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比較の基準:電気は「作業に従事してはならない」

まず物差しになる形から。電気工事士法はこう書かれています。

電気工事士法第3条第2項「第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者……でなければ、一般用電気工作物……に係る電気工事の作業……に従事してはならない。」

主語は資格者で、禁じられているのは作業に従事することそのものです。事業かどうかも、報酬をもらうかどうかも書かれていません。誰であっても、その作業に手を出せないという形です。

コンセント交換がここに当たる話はコンセント交換に資格は要るかにまとめています。

出典:e-Gov法令検索 電気工事士法 第3条第2項(2026-09-05 確認)

LPガスは、電気と同じ形をしている

プロパンガスのほうから見ます。

液化石油ガス法第38条の7「液化石油ガス設備士でなければ、液化石油ガス設備工事の作業(特別の知識及び技能を必要とし、かつ、液化石油ガスによる災害の発生の防止上重要と認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものに限る。)に従事してはならない。」

見出しも「液化石油ガス設備工事の作業に関する制限」で、書き方は電気工事士法とそろっています。「〜でなければ……従事してはならない」。行為そのものが禁じられる形です。

ただし括弧の中に絞りが入っています。対象は「経済産業省令で定めるものに限る」。すべての作業ではありません。どの作業が入るかは省令の側にあります。

設備士には義務も定められています。第38条の8は、技術上の基準に適合するように作業すること、そして作業に従事するときは免状を携帯していることを求めています。

出典:e-Gov法令検索 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律 第38条の7・第38条の8(2026-09-05 確認)

都市ガス側は「監督させろ」という形

もう一つ、名前の長い法律があります。特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律です。

同法第2条第1項(要旨)「特定ガス消費機器」とは、ガスバーナー付ふろがま、ガス瞬間湯沸器その他のガス事業法に規定する消費機器または液化石油ガス法に規定する消費設備に該当する機械・器具で、構造、使用状況等からみて設置または変更の工事の欠陥に係るガスによる災害の発生のおそれが多いと認められるものであって、政令で定めるもの。

同条第2項「この法律において『特定工事』とは、特定ガス消費機器の設置又は変更の工事(経済産業省令で定める軽微なものを除く。)をいう。」

ふろがまと瞬間湯沸器が名指しされています。ここまでは電気と似た入り方です。ところが、次の条文で形が変わります。

同法第3条「特定工事の事業を行う者(以下『特定工事事業者』という。)は、特定工事を施工するときは、……これを、経済産業省令で定めるところにより、ガス消費機器設置工事監督者の資格を有する者に実地に監督させ、又はその資格を有する特定工事事業者が自ら実地に監督しなければならない。ただし、これらの者が自ら特定工事を行う場合は、この限りでない。」

主語が「特定工事の事業を行う者」になっています。事業者に監督の体制を求める規定であって、作業そのものを誰にでも禁じる形ではありません。ここが電気・LPガスとの構造の違いです。

監督者の資格は三つ挙げられています。

同法第4条第1項(要旨)一 経済産業大臣またはその指定する者が行う特定工事に必要な知識及び技能に関する講習の課程を修了した者 二 液化石油ガス設備士であること 三 経済産業省令で定めるところにより、前二号の者と同等以上の知識及び技能を有していることにつき経済産業大臣の認定を受けた者

第二号に液化石油ガス設備士が入っています。二つの法律はここでつながっています。

出典:e-Gov法令検索 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律 第2条・第3条・第4条(2026-09-05 確認)

三つを並べる

法律条文の形誰に向けた規定か
電気工事士法 第3条第2項「〜でなければ……作業に従事してはならない」作業をする人(誰でも)
液化石油ガス法 第38条の7「〜でなければ……作業に従事してはならない」作業をする人(誰でも)
特定ガス消費機器設置工事監督法 第3条「事業を行う者は……監督させなければならない」特定工事事業者

同じ「ガスの給湯器」でも、プロパンか都市ガスかで、まずかかる条文の形が違います。

では、自分で替えていいのか

条文から言えるところまでを書きます。

だから実務上の答えは「契約しているガス会社に聞く」になります。供給する側は消費機器の状態に関わる立場にあり、機器と配管の条件を把握しています。本体を先に買ってしまう前に確認してください。

業者に聞くこと

「無料点検」から交換の話になった場合は、給湯器の点検商法に、法定点検があるものと無いものの見分け方をまとめています。

よくある質問

Q. ネットで本体を買って、取り付けだけ頼めますか。
A. 受ける業者はあります。ただし本体の保証や、機器と配管の適合の責任がどこに残るかが分かれます。先に工事を頼む相手を決めて、その機種でいいかを確認する順番のほうが、手戻りが少なくなります。

Q. プロパンと都市ガスで、そんなに違うのですか。
A. 条文の形が違います。液化石油ガス法第38条の7は「設備士でなければ……従事してはならない」と作業を制限し、特監法第3条は「事業を行う者は……監督させなければならない」と事業者に体制を求めています。向いている先が違うということです。

Q. ふろがまも対象ですか。
A. 特監法第2条第1項は「ガスバーナー付ふろがま、ガス瞬間湯沸器その他」を挙げたうえで、具体的には政令で定めるものとしています。個別の機器が入るかは政令の側なので、業者に確認してください。

Q. 電気工事士の資格があれば、ガスも触れますか。
A. 別の法律です。特監法第4条第1項が監督者の資格として挙げているのは、講習の課程を修了した者、液化石油ガス設備士、大臣の認定を受けた者の三つで、電気工事士は入っていません。

この記事で確認できなかったこと

交換の金額は書いていません。公的機関が公表している価格を確認できなかったためです。

液化石油ガス法第38条の7の「経済産業省令で定めるもの」の具体的な作業、特監法第2条の政令が定める機器の一覧、第2条第2項の「軽微なもの」の範囲は、いずれも省令・政令まで当たれていないので挙げていません。自分の工事が該当するかどうかは、この記事では判定できません。ガスの供給会社と施工業者に確認してください。

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まとめ

同じ「給湯器の交換」でも、かかる条文の形が三つに分かれます。電気工事士法第3条第2項と液化石油ガス法第38条の7は「〜でなければ作業に従事してはならない」で、事業かどうかを問わず作業を制限しています。

いっぽう特定ガス消費機器設置工事監督法第3条は「特定工事の事業を行う者は……監督させなければならない」で、事業者に体制を求める規定です。同じガスでも、プロパンと都市ガスで入口が違います。

そしてどちらも、対象は省令・政令で絞られています。だから条文を読んでも「自分のこの工事はどうか」は出ません。本体を買う前に、契約しているガス会社に確認してください。それが順番です。

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