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FIG.208 — シロアリ・駆除

コウモリ駆除は自分でできない|鳥獣保護管理法で捕獲・殺傷が禁止、できるのは追い出しだけ

公開 2026-09-05|更新 2026-09-05|修繕ナビ編集部

コウモリが屋根裏や戸袋に入り込んだとき、最初に知っておくべきことは費用ではありません。コウモリは、許可なく捕まえることも殺すこともできません。知らずに殺してしまうと法律に触れます。

これは業者を売り込むための脅し文句ではなく、環境省が示している捕獲許可制度と、鳥獣保護管理法施行規則の別表を読めば確認できる話です。この記事では法令の条文にあたって、何ができて何ができないのかを整理します。

法律上、コウモリは「捕獲も殺傷も原則禁止」

環境省は捕獲許可制度の説明で、こう書いています。

「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律では、鳥獣又は鳥類の卵については、狩猟により捕獲する場合を除いて、原則としてその捕獲、殺傷又は採取(以下「捕獲等」という)が禁止されています」

ここで抜け道になりそうなのが「狩猟により捕獲する場合を除いて」の部分です。つまり狩猟の対象になっている動物なら、決められた期間と方法で捕ることができます。ではコウモリは狩猟の対象なのか。ここが分かれ目なので、法令の別表を直接見にいきます。

出典:環境省 捕獲許可制度の概要(2026-09-05 確認)

狩猟できる動物の一覧に、コウモリは入っていない

狩猟の対象になる動物は、鳥獣保護管理法施行規則の別表第二(狩猟鳥獣)で種名まで指定されています。哺乳類として挙げられているのは次のとおりです。

科種名
いぬ科タヌキ/キツネ/ノイヌ
ねこ科ノネコ
いたち科テン/イタチ(オスに限る)/チョウセンイタチ(オスに限る)/ミンク/アナグマ
あらいぐま科アライグマ
くま科ヒグマ/ツキノワグマ
じゃこうねこ科ハクビシン
いのしし科・しか科イノシシ/ニホンジカ
りす科・ヌートリア科タイワンリス/シマリス/ヌートリア
うさぎ科ユキウサギ/ノウサギ

この一覧にコウモリは1種も含まれていません。別表第二を最後まで読んでも、こうもり類は出てきません。つまりコウモリは狩猟では捕れないので、先ほどの「狩猟により捕獲する場合を除いて」という例外に当てはまりません。

注意したいのは、アライグマとハクビシンはこの表に入っているという点です。同じように屋根裏に入り込む動物でも、コウモリだけは扱いが違います。「害獣は駆除していい」とひとまとめに考えると、ここで踏み外します。

出典:鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則 別表第二(2026-09-05 確認)

ネズミとは扱いが正反対です

もうひとつの例外が、法律そのものの適用除外です。施行規則の第七十八条は「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣」を定めていて、ここに挙げられた動物には鳥獣保護管理法が適用されません。その一覧がこれです。

科種名
ねずみ科ドブネズミ/クマネズミ/ハツカネズミ

3種だけです。そしてコウモリはここにも入っていません。

この2つの別表を並べると、家に入る動物の扱いがはっきり分かれます。

動物狩猟できるか法律の適用自分で捕獲・殺傷
ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ—適用除外できる
アライグマ・ハクビシン狩猟鳥獣適用される狩猟か許可が要る
コウモリ入っていない適用される許可なしではできない

「ネズミ用の駆除剤や粘着シートがホームセンターで売られているのだから、コウモリも同じだろう」と考えてしまうのが、いちばん危ないところです。ネズミが自由に駆除できるのは、法律の適用から外されているからで、コウモリは外されていません。

出典:鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則 第七十八条(2026-09-05 確認)

許可を取る場合、申請先は都道府県知事

どうしても捕獲が必要な場合、環境省は許可の道を示しています。「生態系や農林水産業に対して、鳥獣による被害等が生じている場合や学術研究上の必要性が認められる場合などには、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けて、鳥獣又は鳥類の卵を捕獲等することが認められています」としています。

許可の権限者は次のように分かれています。

そして環境省は、多くの都道府県が捕獲許可の権限の一部を市町村長に移譲していると注記しています。実際の窓口は市区町村になることが多い、ということです。まず住んでいる市区町村の環境課などに問い合わせてください。

狩猟と許可捕獲は別の制度です。違いはこうなっています。

項目狩猟許可捕獲
対象狩猟鳥獣46種(鳥類のひな・卵を除く)鳥獣及び卵(狩猟鳥獣以外も含む)
手続き狩猟免許の取得と毎年度の登録許可申請(申請先:都道府県知事等)
時期定められた狩猟期間中許可された期間(年中いつでも可能)
方法法定猟法(網・わな猟、銃猟)方法は問わない(危険猟法等は制限あり)

個人が屋根裏のコウモリのために狩猟免許を取る、という話にはなりません。現実的な選択肢は、捕獲しない方法です。

出典:環境省 捕獲許可制度の概要(2026-09-05 確認)

だから実際にできるのは「追い出して塞ぐ」だけ

捕獲も殺傷も許可が要るということは、手元に残る手段は出ていってもらい、戻れないようにすることです。これは捕獲にあたらないので、許可なく行えます。

業者に見積もりを取るときも、作業の中身がこの形になっているかを見てください。「捕まえて処分します」と説明する業者がいたら、その根拠(許可の有無)を確認したほうがいいということです。

見積書で確認したい項目を挙げます。いずれも金額の前に、何をするのかを揃えるためのものです。

他の害獣とまとめて相談したい場合は害獣駆除の費用相場に、ネズミ・イタチ・ハクビシンの目安をまとめています。ただし前述のとおり、コウモリだけは法律上の扱いが違います。

この記事で確認できなかったこと

コウモリ駆除の費用相場は書いていません。公的機関が公表している金額を確認できなかったためです。民間業者の料金表を並べる方法もありますが、侵入口の数と建物の形で作業量が変わるので、定価表がそのまま自分の家に当てはまりません。

家屋に入り込むコウモリの種類についても、一次資料で確認できなかったため断定していません。種類によって扱いが変わる可能性があるので、気になる場合は市区町村の窓口で確認してください。

追い出し作業に適した時期についても、公的資料で月を特定できなかったので書いていません。子育ての時期を外す必要がある点だけを挙げています。

まとめ

コウモリは狩猟鳥獣の一覧にも、法律の適用除外にも入っていません。そのため捕獲も殺傷も原則として禁止で、行うには環境大臣または都道府県知事の許可が要ります。多くの都道府県は権限の一部を市町村長に移譲しているので、窓口は市区町村になることが多くなります。

いっぽうドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種は法律の適用から外されていて、自分で駆除できます。アライグマとハクビシンは狩猟鳥獣に入っています。同じ「屋根裏の害獣」でも、コウモリだけ立場が違います。

だから実際にできるのは、追い出して侵入口を塞ぐことです。見積もりを取るときは、金額より先に「捕獲するのか、追い出すのか」を確認してください。そこが、法律に沿った工事かどうかの分かれ目になります。

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※ 記載の費用はいずれも目安です。建物の状態・地域・時期により変動するため、正確な金額は必ず複数社の見積もりで確認してください。