シロアリ駆除費用は確定申告で戻る?雑損控除の対象・対象外と計算式
シロアリ駆除にかかった費用は、確定申告で所得から差し引ける場合があります。ただし全部が対象になるわけではありません。国税庁は被害が出てからの駆除は対象、被害を防ぐための予防は対象外という線引きを示しています。ここでは対象の判定から控除額の計算式、必要書類までを公的資料に沿って整理します。
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無料でまとめて見積もり ▶結論:駆除は対象になり得る、予防は対象外
国税庁の質疑応答事例「シロアリの駆除費用」では、次のように区分されています。
- 対象になる:シロアリの被害を受けた資産の損失の防止のための費用、およびシロアリの駆除とともに行われる修繕のための費用
- 対象にならない:シロアリの被害を防止するための費用。その支出の効果が将来における被害の防止に限定されるため
5年ごとに行う定期的な予防施工は、被害が出ていない以上この控除には使えません。逆に、被害が見つかって駆除と床の張り替えを同時に行った場合は、対象になり得ます。「シロアリ駆除をしたから確定申告できる」ではなく、被害が実際に出ていたかどうかが分かれ目です。
控除額の計算式は2つあり、多い方を使う
雑損控除の額は、次の2つの計算式のうちいずれか多い方です。
| 式 | 計算方法 |
|---|---|
| A | (損害金額 + 災害等関連支出の金額 - 保険金等の額)- 総所得金額等 × 10% |
| B | (災害関連支出の金額 - 保険金等の額)- 5万円 |
ここで損害金額は「損害を受けた時の直前におけるその資産の時価を基にして計算した損害の額」と定義されています。シロアリ被害の場合、被害を受けた木部の時価が基準になるため、駆除費用そのものの金額とは一致しません。一方の災害関連支出には、損害を受けた資産の原状回復のための支出などが含まれます。
費用の内訳をもう少し細かく見るならシロアリ駆除の費用相場と補助金・助成金の活用ガイド、ダスキンのシロアリ駆除費用は、シロアリ予防・消毒の費用と時期2026です。
出典:所得税法(e-Gov法令検索)(2026-09-07 確認)
出典: 国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」(令和7年4月1日現在法令等/2026年9月4日確認)。
式Aは総所得金額等の10%を引くため、所得が高いほど不利になります。式Bは5万円を引くだけなので、災害関連支出が大きい場合はこちらが有利になりやすい構造です。どちらか一方を選ぶのではなく、両方を計算して多い方を使います。
引ききれない分は3年間繰り越せる
その年の所得から控除しきれなかった金額は、翌年以後3年間にわたって繰り越して控除できます。ただし東日本大震災、または令和5年4月1日以後に発生する特定非常災害については5年間とされています。シロアリ被害は通常この特例には当たらないため、3年間と考えてください。
必要な書類
確定申告では「災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収を証する書類」の添付または提示が必要です。実務では次の2つを揃えておくことになります。
- 駆除業者が発行した領収書
- 工事内容が分かる見積書・作業明細(駆除と予防、修繕の内訳が分かるもの)
明細が「シロアリ工事一式」としか書かれていないと、駆除と予防のどちらなのかを説明できません。依頼する段階で内訳を分けて記載してもらうのが確実です。被害箇所の写真も残しておくと、被害があった事実の説明がしやすくなります。
災害減免法とはどちらか一方しか選べない
災害によって住宅や家財に損害を受けた場合、雑損控除のほかに災害減免法による所得税の軽減免除という制度があります。両者は納税者の選択によりどちらか有利な方法を選べるとされており、同時に使うことはできません。金額を両方で計算して比べることになります。
実務で迷いやすいところ
見積書に予防と駆除が混在している場合——対象になるのは駆除と、それに伴う修繕の部分だけです。予防の分は按分して除く必要があります。
保険金が出た場合——計算式のとおり、保険金等の額は差し引いてから控除額を出します。火災保険でシロアリ被害が補償されるケースは限定的ですが、支払われた場合は必ず差し引いてください。
賃貸住宅の場合——雑損控除の対象は本人または生計を一にする親族が所有する資産です。借りている建物そのものは対象になりません。
雑損控除の条文には、二つの金額基準が書かれている
雑損控除は所得税法第72条です。まず対象になる原因が限定されています。条文は「災害又は盗難若しくは横領による損失が生じた場合」としており、この三つ以外は対象外です。シロアリ被害が入り得るのは「災害」の枠で、予防のための工事は原則としてここに入りません。
控除される金額の計算にも、条文に数字があります。災害関連支出が「五万円以下である場合」は、総所得金額等の合計額の「十分の一に相当する金額」を超える部分が控除対象になります。災害関連支出が「五万円を超える場合」は別の計算になります。5万円と10分の1——この二つが判定の軸です。
また条文は「保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く」としています。火災保険などで補填された分は損失額から差し引きます。駆除費用の領収書だけでなく、保険金の支払通知も揃えておく必要があるのはこのためです。対象になるのは「居住者又はその者と生計を一にする配偶者その他の親族」の資産です。
金額の出典:国税庁「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」(2026-09-11 確認)。同ページに「(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円」「(総所得金額等)×10%」と示されています。条文そのものは所得税法(e-Gov法令検索)の第72条です。
よくある質問
予防のつもりで施工したら被害が見つかりました。対象になりますか
被害が実際に確認され、その駆除と修繕を行ったのであれば対象になり得ます。ただし予防部分は除きます。点検報告書など被害の存在が分かる資料を残してください。
いくら戻ってきますか
控除は税額そのものを引くのではなく、所得から差し引く仕組みです。戻る金額は控除額に税率を掛けたおおよその額になり、所得によって変わります。計算式AとBの両方で控除額を出し、多い方を使ってください。
何年前の分まで申告できますか
確定申告を行っていない場合の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間可能とされています。過去の駆除費用について申告できるかは、管轄の税務署にご確認ください。
まとめ
- 被害が出てからの駆除と修繕は対象、被害前の予防は対象外
- 控除額は2つの計算式の多い方。式Aは総所得の10%、式Bは5万円を引く
- 引ききれない分は3年間繰越できる
- 領収書と、駆除・予防・修繕の内訳が分かる明細を必ず保管する
- 災害減免法とはどちらか一方を選ぶ
出典:国税庁 質疑応答事例「シロアリの駆除費用」、国税庁 タックスアンサー「No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」(2026年9月1日確認)。本記事は公表資料に基づく一般的な整理であり、個別の適用可否は事情により異なります。申告前に管轄の税務署または税理士にご確認ください。当サイトは税務の専門機関ではありません。
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