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FIG.218 — リフォーム全般

ペアガラスに替えたい|マンションの窓ガラスは専有部分ではない、という前提から

公開 2026-09-05|更新 2026-09-07|修繕ナビ編集部

結露がひどい、窓際が寒い。だからペアガラス(複層ガラス)に替えたい——ここまでは、戸建てでもマンションでも同じです。

違うのはこの先です。マンションの窓ガラスは、あなたの専有部分ではありません。国土交通省が公表しているマンション標準管理規約に、そう書かれています。だから見積もりを取る前に、通す手続きがあります。この記事では、令和7年改正の標準管理規約(単棟型)の条文を読んで、その順番を整理します。

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窓ガラスは、専有部分に含まれない

標準管理規約は、専有部分の範囲を第7条で定めています。第2項が、住戸を区切る構造物の帰属を三つ挙げていて、その三番目がこれです。

第7条第2項第三号「窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。」

天井・床・壁は「躯体部分を除く部分を専有部分とする」、玄関扉は「錠及び内部塗装部分を専有部分とする」と書かれているのに、窓枠と窓ガラスだけは、まるごと専有部分から外されています。

公表されているコメントでも、こう説明されています。専有部分に属さない建物の部分は共用部分とされることから、「開口部は共用部分として扱うこととなる」。

自分の部屋の窓に見えても、扱いは共用部分側です。ここが出発点になります。

出典:建物の区分所有等に関する法律(区分所有法・e-Gov法令検索)(2026-09-07 確認)

出典:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)」第7条およびコメント(2026-09-05 確認)

それでも替えられる道が、同じ規約に用意されている

共用部分なら手が出せないのかというと、そうではありません。標準管理規約は第22条で、開口部の改良について別に定めています。

第22条第1項「共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。」

原則は管理組合が計画修繕としてやる、です。断熱のためのガラス交換は、まさにここに入ります。

ただ、待っていられない場合の道もあります。

同条第2項「区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。」

これが個人で替えるときの根拠条文です。先に申請して、書面で承認を受ける。順番が決まっています。

コメントには、この工事の具体例として「防犯・防音・断熱性等により優れた複層ガラスやサッシ」への交換が挙げられています。ペアガラスはまさに想定されている工事です。

出典:同 第22条およびコメント(2026-09-05 確認)

申請に何を出すのかも、条文で決まっている

第22条第3項は、申請と承認の手続について第17条(専有部分の修繕等)の規定を準用すると定めています。その第17条にはこう書かれています。

第17条第2項「前項の場合において、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に提出しなければならない。」

同条第3項「理事長は、第1項の規定による申請について、理事会の決議により、その承認又は不承認を決定しなければならない。」

つまり必要なのは三点セットです。設計図・仕様書・工程表。そして判断するのは理事長個人ではなく、理事会の決議です。

工事のあとについても定めがあります。

同条第6項(要旨)承認を受けた工事後に、その工事により共用部分または他の専有部分に影響が生じた場合は、工事を発注した区分所有者の責任と負担で対応する。

承認をもらっても、影響が出たときの責任は発注した人に残ります。だから施工業者を選ぶときの基準が「安いか」だけでは足りない、という話になります。第17条第5項では、理事長またはその指定を受けた者が必要な範囲で工事箇所に立ち入り、調査できることも定められています。

出典:同 第17条・第22条第3項(2026-09-05 確認)

だからマンションでは、見積もりより先に図面がいる

手順を逆にすると詰まります。金額を決めて契約してから理事会に出すと、不承認のときに困るのは自分です。順番はこうなります。

戸建てなら、決めるのは「ガラスだけか、枠ごとか」

手続きの制約がない代わりに、選択肢の整理が必要になります。分かれ目は、既存のサッシを使い続けるかどうかです。

やり方枠はどうなるか考えどころ
今のサッシにガラスだけ入れ替えるそのまま複層ガラスは単板より厚いので、既存サッシの溝に収まるかを現場で確認することになる
サッシごと交換する替わる外壁側の工事になるかどうかで規模が変わる
内窓を足す今の窓は残る既存の窓に触らないので工事が軽い。窓が二重になる

ここで押さえておきたいのは、ガラスだけを替えても、枠は替わらないということです。結露が枠まわりに出ている場合、ガラスの交換で変わるのはガラス面のぶんだけになります。標準管理規約のコメントも、開口部の改良の目的として「結露から発生したカビやダニによるいわゆるシックハウス問題を改善するための断熱性の向上」を挙げていて、断熱は開口部ぜんたいの話として扱われています。

費用と補助金の考え方は内窓リフォームの費用に、割れ・ひびの修理は窓ガラスの修理・交換費用にまとめています。

窓が専有部分か共用部分かは、区分所有法の定義で決まる

マンションで窓ガラスを替えられるかどうかは、費用の問題より先に所有区分の問題です。

区分所有法第2条は、「専有部分」を「区分所有権の目的たる建物の部分」とし、「共用部分」を「専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物」などと定義しています。そして第4条は「構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならない」としています。

窓やサッシは建物の外周を構成するため、多くのマンションで共用部分として扱われます。同法第6条第1項は区分所有者に対し「建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」とも定めています。だから見積もりを取る前にやることは、管理規約で窓の扱いを確認し、管理組合に申請できるかを聞くことです。内窓(二重サッシ)を室内側に付ける方法なら専有部分の工事として認められることがあり、断熱の目的だけなら現実的な選択肢になります。

よくある質問

Q. 自分の部屋の窓なのに、なぜ勝手に替えられないのですか。
A. マンション標準管理規約第7条第2項第三号が、窓枠と窓ガラスを専有部分に含まれないものとしているからです。コメントでも開口部は共用部分として扱うと説明されています。ただし実際の規約は管理組合ごとに定めるものなので、まず自分のマンションの規約を確認してください。

Q. 承認なしで替えてしまったらどうなりますか。
A. 標準管理規約は第22条第2項で、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることを求めています。手続きを踏まない工事について、この記事では結果を断定できません。先に管理組合に相談してください。

Q. 管理組合が計画修繕でやってくれるのを待つべきですか。
A. 第22条第1項は、断熱等の性能向上に資する開口部の改良を、管理組合が計画修繕として実施するのを原則としています。予定があるかどうかで判断が変わるので、まず長期修繕計画を確認するのが順番です。

Q. 賃貸マンションの場合は。
A. 借りている立場では、そもそも建物に手を入れる話が貸主との関係になります。修繕の義務は民法第606条第1項で原則として貸主にあります。賃貸と分譲で修繕費を誰が負担するかで条文を整理しています。

この記事で確認できなかったこと

ペアガラス交換の金額は書いていません。公的機関が公表している価格を確認できなかったためです。ガラスの寸法・枚数・サッシの状態・階数で変わるので、定価表がそのまま当てはまりません。

断熱性能の数値も挙げていません。製品と仕様で変わるうえ、公的な比較値を確認できなかったためです。補助金の対象になるかどうかも、製品の性能要件によるので断定していません。

また、この記事が読んだのは国が示す標準管理規約です。自分のマンションの規約が同じとは限りません。条文の番号も内容も違う可能性があります。

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まとめ

マンションでペアガラスに替えたいときの出発点は、金額ではありません。標準管理規約第7条第2項第三号が、窓枠と窓ガラスを専有部分から外しているという事実です。

そのうえで第22条が道を用意しています。第1項は管理組合の計画修繕を原則とし、それが速やかにできない場合は第2項で、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受ければ、区分所有者の責任と負担で実施できます。申請には第17条第2項の準用で設計図・仕様書・工程表が要り、承認は第17条第3項により理事会の決議で決まります。

だから業者に最初に頼むのは見積書ではなく、その三点です。そして自分のマンションの管理規約を、先に読んでください。国のひな型と違う定めをしている可能性があります。

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